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先に結論:Mac StudioのユニファイドメモリはCPUとGPUで共有できますが、搭載量の全てをLLM専用VRAMとして見積もるのは危険です。今回、同じ考え方をXServer VPS 4GBで検証したところ、context 16384のQwen3 0.6BはRAM上限2GiBでOOM、2.5GiBでは成功しました。ただし、推論中にホストのavailableは約836MiBまで低下しました。AI用の上限とOS・DB用の余白を別々に確保することで、悩みは一部解決できます。
2026年9月1日、XServer VPS上のOllamaへ2GiBと2.5GiBのcgroup制限を設定し、生成中にホストRAM、コンテナRAM、swap、公開APIを40回同時計測しました。本記事はMac Studioそのもののベンチマークではなく、ユニファイドメモリ購入時にも必要な「全量をモデル容量として数えない」という設計をVPS実機で再現した一次情報です。
ユニファイドメモリは全部LLM用VRAMとして使える?
安全な見積もりでは、使えると考えない方がよいです。AppleのMetalドキュメントは、hasUnifiedMemoryを「GPUがCPUと全メモリを共有するか」と説明しています。一方、recommendedMaxWorkingSetSizeは、実行性能に影響を与えずGPUが割り当てられるメモリ量の目安です。
共有できることと、OSや他アプリを無視して全量を安全に占有できることは別です。モデル本体のほか、コンテキスト、KVキャッシュ、推論ランタイム、macOS、ブラウザーなどの領域も必要になります。
| 考え方 | 判定 |
|---|---|
| CPUとGPUが同じメモリを共有する | ユニファイドメモリの利点 |
| 搭載メモリ全量をモデルファイルへ使う | 危険 |
| モデル+context+OSの合計で考える | 必要 |
| 安全な作業上限を決める | 必要 |
ZennとRedditでは何に困っている?
Zennの「Mac mini M4 Pro / M4 MaxでローカルLLMを動かす:VRAM早見表とGGUF量子化の選び方」は、「統一メモリ=全部VRAM」と誤解し、モデル読み込み後にメモリ不足になるケースを問題にしています。同記事はmacOSのデフォルト上限とOS用余白を考慮し、24GB機なら約16GB、64GB機なら約48GBを実用VRAMの目安として示しています。
Redditのr/LocalLLaMAにも、16GB MacBook Airでgpt-oss:20bを起動するとメモリ警告が出て、24GBや32GBなら解決するのかという具体的な質問があります。回答ではOS用RAMとcontextも考慮すべきだと指摘されています。
これらはユーザー投稿であり、全Mac共通の保証値ではありません。実機、macOS、推論ソフト、contextごとに`recommendedMaxWorkingSetSize`や実メモリを確認する必要があります。
今回はMac Studioを実測した?
いいえ。今回はMac Studioを所有機として計測していません。Apple SiliconとLinux VPSのメモリ管理は異なります。検証したのは、搭載RAMからAI処理の上限を切り分け、システム余白を測る手順です。
XServer VPSではLinux cgroup v2を使い、Ollamaコンテナのmemory.max、memory.peak、memory.events、memory.swap.peakを直接読みました。Macの実用VRAM値をVPS結果から換算することはしません。
実験前のXServer VPS使用状況
| 項目 | 実験前 |
|---|---|
| 実メモリ表示 | 3904MiB |
| RAM使用 | 715MB |
| RAM available | 3188MB |
| swap | 0MB / 2047MB |
| Caddy | 12.77MiB |
| FastAPI | 77.69MiB |
| PostgreSQL | 40MiB |
| 公開API | database=ok、artifact_storage=ok |
「4GBプランだから4GBをOllamaへ渡す」のではなく、すでに動いているOS・API・DBの消費量を測ってから上限を決めました。
Qwen3 0.6Bの実験条件
| 設定 | 値 |
|---|---|
| Ollama | 0.33.2公式Dockerイメージ |
| モデル | Qwen3 0.6B |
| context | 16384 |
| 最大生成 | 256 token |
| CPU上限 | 2コア |
| RAM上限 | 2GiB / 2.5GiB |
| 追加swap | なし |
| API | 127.0.0.1のみ |
日本語プロンプト、temperature 0、seed 42、CPU 2スレッドを固定しました。2.5GiB試験では生成と同時に、ホストのavailableと公開APIを40回確認しています。
2GiB上限ではOOMで失敗
2GiBでは回答を生成できず、Ollama APIは「llama-server process has terminated: signal: killed」を返しました。memory.peakは設定上限と同じ2,147,483,648 bytes、memory.eventsはoom=1、oom_kill=1です。
モデル自体は約523MBでも、context 16384の処理全体は2GiBへ収まりませんでした。モデルファイルの容量だけで必要メモリを判断できないことが分かります。
2.5GiB上限では成功した
| 指標 | 実測値 |
|---|---|
| 総時間 | 8.171秒 |
| モデル読み込み | 2.630秒 |
| 生成 | 256 token / 5.307秒 |
| 生成速度 | 48.24 token/秒 |
| メモリピーク | 約2.455GiB |
| OOM | 0回 |
| コンテナswap peak | 0 |
上限2.5GiBに対しピーク約2.455GiBで、余裕は約46MiBしかありません。同じモデルでも入力が増える、同時実行する、Ollamaのバージョンが変わるなどの条件で失敗する可能性があるため、これを普遍的な安全値とは扱えません。
OS・API・DB用の余白はどれだけ残った?
VPSの実メモリ3904MiBからコンテナ上限2560MiBを引き、設定上は1344MiBをシステム側へ残しました。推論中のホストMemAvailable最小値は856,016KiB、約836MiBです。
| 同時監視 | 結果 |
|---|---|
| 監視回数 | 40回 |
| 公開API | 40回すべてHTTP 200 |
| MemAvailable最小 | 約836MiB |
| コンテナmemory.current最大観測 | 約2.451GiB |
| コンテナswap | 0 |
既存APIは停止しませんでしたが、availableが1GiB未満まで下がりました。これ以上AI上限を広げると、OSやPostgreSQLの余白を削るため、4GBプランでは2.5GiBを常用上限にするより、contextを下げるか上位プランへ分ける方が安全です。
実験後に3MBのswapが残った問題
テスト前のホストswapは0MB、コンテナ削除後は3MBでした。ただし、テストコンテナのmemory.swap.currentとmemory.swap.peakはどちらも0です。したがって「Ollamaが3MB swapした」とは結論づけません。ホストのどのプロセスがページアウトされたかは今回の計測範囲では特定していません。
この小さな差も記録したのは、記事の結論に都合の悪い数字を省かないためです。長時間試験ではプロセス別swapも取得する必要があります。
XServer VPSで解決できる部分
- モデル容量以外にcontext用メモリが必要と実測できる
- AIへ渡すRAMの上限をcgroupで固定できる
- OS・API・DB用の余白を数値で監視できる
- OOMが既存サービスへ波及しない構成を試せる
- 高メモリMacを買う前にワークフローを小型モデルで確認できる
XServer VPSでは解決できない部分
- Apple SiliconのMetal・MLX性能測定
- Mac Studio固有のGPU割当上限
- Macでの実token/秒、消費電力、騒音
- 64GB・128GB・192GBモデルが実際に載るか
- CUDAソフトとMetalソフトの互換性差
Mac Studioのメモリ容量を選ぶ前に確認すること
- モデルファイル、context、KVキャッシュを合計する
- macOSと常用アプリのメモリを差し引く
- MetalのrecommendedMaxWorkingSetSizeを実機で確認する
- 最大値ではなく安全余白を含む構成を選ぶ
- 大規模モデルだけクラウドGPUで試し、本当に常用するか確認する
結論:統合メモリの全量をVRAMとして数えてよい?
数えない方が安全です。共有メモリであることはApple Siliconの大きな利点ですが、OS、アプリ、モデル、contextは同じ有限の容量を使います。XServer VPSの実験でも、4GBのうち2.5GiBをAI上限にして初めてcontext 16384が成功し、その最中のavailableは約836MiBまで下がりました。
XServer VPSはMac Studioの性能代替ではありません。しかし、モデルを小さくして「AI上限」「システム余白」「OOM時の挙動」を先に設計できます。高価なMacを買う前の要件整理には有効、というのが今回の結論です。
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実験日:2026年9月1日。Macの利用可能メモリは機種、macOS、推論ソフト、同時起動アプリで変わります。購入前にApple公式仕様と使用ソフトの最新情報を確認してください。

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