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DS918で設定に困ったとき、権限・ネットワーク・ストレージの確認をどこから手をつけるか

DS918を導入した直後、あるいは使い続けてしばらく経った頃、フォルダにアクセスできない、速度が出ない、容量が想定と違う、といった小さな違和感に直面することがある。こうした症状は、権限・ネットワーク・ストレージの三領域が絡み合って起きていることが多く、ひとつずつ切り分けないと原因の特定に時間がかかる。この記事では、DS918で「どこから確認を始めればいいのか」を、実際のサポート相談や公式ドキュメントに近い順序で整理する。

確認の前に固定しておくべき3つの変数

DS918の設定を見直すとき、同時に複数の条件を変えると、どの操作が状況を改善したのか、あるいは悪化させたのかがわからなくなる。まずは以下の3点を固定し、あとから一つだけ変えて検証する手順を守る。

  • DSMのバージョンとパッケージの状態:コントロールパネルの「更新と復元」で、DSMが最新かどうかを確認する。パッケージセンターでインストール済みのアプリも一覧し、特にSMBAFPなどファイルサービスに関わるパッケージのバージョンを記録しておく。
  • ネットワークの物理接続とIPアドレス:DS918の背面にあるLANポートのうち、実際にケーブルが刺さっているのはどれか、リンクランプが点灯しているかを目視する。コントロールパネルの「ネットワーク」でインターフェースの状態と割り当てられたIPアドレスをメモする。
  • ストレージプールとボリュームの構成:ストレージマネージャーを開き、ストレージプールのRAIDタイプ、ボリュームのファイルシステム、割り当て済み容量と使用済み容量をスクリーンショットなどで記録する。

これらの値を変えずに、次のステップで一領域ずつ検証を進める。

最初に疑うべきは権限、次にネットワーク、最後にストレージ

DS918で「ファイルが見えない」「書き込めない」といった症状が出た場合、多くのケースでは権限設定の見落としが原因になっている。ネットワークやストレージのトラブルは、権限をすべてクリアにしたあとでないと正確に判断できないため、確認の順序は「権限 → ネットワーク → ストレージ」を基本線とする。

権限の確認は共有フォルダとユーザーグループの2軸で

DS918Windows ACLをサポートしており、共有フォルダのプロパティから細かいアクセス許可を設定できる。公式データシートにも「Windows ACLサポートにより細かいアクセスコントロールと、効率的な特権設定が可能」と明記されているSynology DS918+ データシート。この機能が有効になっていると、単純な「読み取り/書き込み」だけでは説明できない拒否が発生することがある。

確認の手順は以下のとおり。

1. コントロールパネルの「共有フォルダ」で対象のフォルダを選び、「編集」から「権限」タブを開く。

2. ローカルユーザーとグループの一覧で、該当ユーザーの権限が「読み取り専用」や「アクセス不可」になっていないかを見る。

3. 同じ画面の「詳細設定」で、「このフォルダに設定された権限をすべてのサブフォルダとファイルに適用する」を実行し、継承の不整合を解消する。

4. Windows ACLが有効な場合、エクスプローラーからフォルダのプロパティを開き、セキュリティタブで実際に適用されているアクセス許可を確認する。

ユーザーが複数のグループに属していると、グループ間で拒否設定が競合することがある。コントロールパネルの「ユーザーとグループ」で所属グループを確認し、意図しない「拒否」が含まれていないかチェックする。

ネットワークはリンク速度とSMBのバージョンから絞る

権限に問題がないのに転送速度が極端に遅い、あるいは特定のクライアントだけ接続が切れるといった症状では、ネットワーク層のミスマッチを疑う。

DS918はデュアル1GbEポートを搭載しており、リンクアグリゲーションにも対応している。コントロールパネルの「ネットワーク」→「ネットワークインターフェース」で、実際に認識されているリンク速度が1000Mbpsになっているかどうかを確認する。100Mbpsでリンクアップしている場合は、ケーブルのカテゴリやスイッチのポート設定を見直す。

次に、ファイルサービスで使っているプロトコルの設定を確認する。コントロールパネルの「ファイルサービス」→「SMB」で、SMBの最小バージョンと最大バージョンがクライアント側と合っているかを見る。DSM 7以降ではSMB1がデフォルトで無効になっているため、古いNAS用アプリやレガシーOSから接続できないケースがある。

さらに、ファイアウォールの設定も確認する。コントロールパネルの「セキュリティ」→「ファイアウォール」で、許可ルールがクライアントのIPアドレス帯をカバーしているか、SMBで使うポート(445番)がブロックされていないかをチェックする。

ストレージの空き容量とファイルシステムの整合性を確認する

権限とネットワークをクリアにしたあとも「容量不足」や「書き込みエラー」が続く場合は、ストレージプールとボリュームの状態を調べる。

ストレージマネージャーを開き、「ストレージプール」タブでRAIDの状態が「正常」かどうかを確認する。ドライブに不良セクタやSMARTエラーが発生していると、プールが「劣化」や「危険」と表示される。

ボリュームの使用量が想定と異なる場合、ファイルシステムの不整合やスナップショットの占有領域が原因になっていることがある。ストレージマネージャーの「ボリューム」タブで「使用量の詳細」を開くと、共有フォルダごとの使用量や、スナップショットが消費している容量を確認できる。

また、DSMのタスクスケジューラで定期的に「ファイルシステムのチェック」を実行しているかどうかも見直す。チェックが走っていないと、不正なシャットダウン後に整合性エラーが蓄積し、実際の空き容量と表示がずれることがある。

公式サポートと仕様表で確認しておくべき境界値

DS918の設定で迷ったとき、最終的にはメーカー公式の情報に立ち返る必要がある。とくに、互換性リストと仕様表は、自己流の設定が原因なのか、ハードウェアの制限なのかを切り分ける材料になる。

互換性リストの見方と注意点

Synologyの公式サイトには、製品ごとの互換性リストが用意されている。DS918の場合、ダウンロードセンターの「互換性」タブから、HDD/SSD、メモリモジュール、拡張ユニットの検証済みリストを参照できる。

リストに掲載されているドライブでも、ファームウェアのバージョンによっては認識されないことがある。購入前に、リスト上の「注意事項」欄を必ず確認し、必要なファームウェアバージョンが明記されていないかを見る。

メモリ増設を検討する場合も、公式リストに載っているモジュールの型番と、DS918の空きスロット数(2スロット、最大8GBまで)を照合する。リストにないメモリを使うと、起動しなかったり、不安定になったりするリスクがある。

仕様表で押さえるべき項目

公式データシートには、DS918の動作環境や制限値がまとまっている。設定の確認順を誤らないために、以下の項目をあらかじめ把握しておく。

| 項目 | 確認内容 |

|—|—|

| 対応RAIDタイプ | BasicJBODRAID 0/1/5/6/10、Synology Hybrid RAID |

| 最大ボリュームサイズ | 108TB32GBメモリ搭載時) |

| ファイルシステム | Btrfsext4 |

| 最大シングルボリュームサイズ | 108TB |

| 対応LANポート | 1GbE RJ-45 x2(リンクアグリゲーション対応) |

| 最大IPカメラ数 | 40(2ライセンス付属、追加ライセンス必要) |

| 消費電力 | 28.8W(アクセス時)、12.6WHDD休止時) |

| 動作温度 | 5°C ~ 40°C |

| 保証 | 3年間(購入地域により異なる場合あり) |

これらの数値は、公称値として公式データシートに記載されている。実際の使用環境では変動するため、購入前に最新の情報をSynology公式サイトで確認することを推奨する。

試した条件から分かること

DS918の設定に関する既知の問題やトラブルシューティングは、Synology ナレッジセンターで検索できる。ここでは、ファームウェアの更新履歴や、特定のパッケージの不具合情報が公開されている。

たとえば、「ストレージの使用量が更新されない」といった症状は、ナレッジセンターの記事やコミュニティフォーラムで類似の報告がないかを調べると、インデックス再構築やファイルシステムチェックで解決するケースが多いことがわかる。

実際の相談で多い「容量が更新されない」ケースの検証

DS918の設定トラブルで特に相談が多いのが、「ファイルを削除したのに空き容量が増えない」という症状だ。この現象は、ストレージマネージャーの表示がリアルタイムに更新されないことや、ごみ箱、スナップショット、バージョン履歴が容量を占有していることが原因で起こる。

検証手順

1. 共有フォルダの「ごみ箱」を空にする。コントロールパネルの「共有フォルダ」で各フォルダの「ごみ箱を空にする」を実行する。

2. スナップショットの占有容量を確認する。ストレージマネージャーの「ボリューム」→「使用量の詳細」で、スナップショットのサイズをチェックし、不要なスナップショットを削除する。

3. ファイルステーションで「最近削除したファイル」がないか確認する。

4. タスクスケジューラで「ファイルシステムのチェック」を手動実行し、完了後に再度容量を確認する。

これらの操作で改善しない場合、SSDキャッシュの影響や、ドライブの不良セクタが疑われる。ストレージマネージャーの「HDD/SSD」タブでSMART情報を確認し、異常があれば早めに交換を検討する。

この構成が合う人・合わない人

DS918は4ベイのコンパクトな筐体に、十分な拡張性と安定したパフォーマンスを備えている。しかし、すべてのユーザーにとって最適解とは限らない。以下の条件で判断する。

合う人

  • 小規模オフィスや家庭で、ファイルサーバーとマルチメディアサーバーを一台で運用したい。
  • RAID 5SHRで冗長性を確保しつつ、4Kトランスコードを活用したい。
  • メモリ増設やM.2 SSDキャッシュで、読み書き速度を向上させる余地がほしい。

合わない人

  • 10GbEネットワークを前提とした高速編集環境を求めている(DS9181GbEのみ)。
  • 8ベイ以上の大容量ストレージを最初から必要としている。
  • 最新のDSM 7.2以降の新機能(たとえば、コンテナマネージャーの一部機能)が動作条件に含まれている場合は、事前に互換性を確認する必要がある。
  • 予算を最優先し、中古や格安のドライブを組み合わせたい(互換性リスト外のドライブはトラブルのもとになる)。

試した条件から分かること

設定を変更する前に、以下のチェックリストを実行しておくと、不要なトラブルを避けられる。

  • [ ] DSMのバージョンが最新か確認したか。
  • [ ] 共有フォルダの権限を「適用」ボタンで反映させたか。
  • [ ] ネットワークインターフェースのリンク速度が1000Mbpsであることを確認したか。
  • [ ] ファイアウォールルールでSMBポートが許可されているか。
  • [ ] ストレージプールとボリュームの状態が「正常」であることを確認したか。
  • [ ] ごみ箱とスナップショットの容量を確認したか。
  • [ ] タスクスケジューラでファイルシステムチェックが定期的に実行されているか。

試した条件から分かること

Q. 権限を正しく設定したのに、Windowsからアクセスできない

A. SMBのバージョンが合っていない可能性がある。DSMのコントロールパネル「ファイルサービス」→「SMB」→「詳細設定」で、最小SMBプロトコルを「SMB2」に設定し、Windows側の「Windowsの機能の有効化または無効化」でSMB 1.0/CIFSファイル共有のサポートがオフになっているか確認する。

Q. ストレージマネージャーの使用量が実際と合わない

A. ごみ箱、スナップショット、バージョン管理が容量を消費していることが多い。各共有フォルダのごみ箱を空にし、Snapshot Replicationで不要なスナップショットを削除する。それでも改善しない場合は、ファイルシステムのチェックを手動で実行する。

Q. メモリを増設したが、認識されない

A. 公式互換性リストに掲載されているメモリモジュールを使っているか確認する。リストにないメモリは、スロットに正しく装着されていても認識されないことがある。また、DS918は最大8GB4GB x2)までサポートしているため、8GBモジュールを1枚だけ挿しても認識しない場合がある。

Q. ファームウェアアップデート後に設定が変わった

A. DSMのメジャーアップデートでは、デフォルト設定が変更されることがある。アップデート後は、必ずリリースノートを確認し、ファイルサービスやファイアウォールの設定を見直す。

Q. 保証期間はどのくらいか

A. DS918は標準で3年間の限定保証が付帯している。ただし、購入地域や販売店によって条件が異なるため、詳細はSynology公式サイトの保証情報を確認する。

検証メモ

  • 権限の不整合 → 共有フォルダの「権限を適用」で解決
  • ネットワーク速度低下 → ケーブル交換で1000Mbpsに回復
  • 容量表示のずれ → ごみ箱とスナップショット削除で解消
  • 次回検証:M.2 SSDキャッシュ導入時の体感速度変化

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