Retroid Pocket Classicを選んだ理由
縦型の携帯ゲーム機を見ると、どうしても昔のゲームボーイ系を思い出してしまいます。けれど、実際に買うとなると見た目だけでは決めにくいものです。私自身、最初にRetroid Pocket Classicに惹かれたのは、単なる懐かしさよりも「いまの環境でレトロゲームを気軽に楽しめそうだ」と感じたからでした。
最近の携帯機は横型が主流です。そのなかで縦型を選ぶ理由は、遊びたいタイトルがはっきりしているかどうかで決まる気がします。2D中心、十字キー中心、短時間でも遊びやすいゲームが好きなら、Retroid Pocket Classicの方向性はかなり魅力的です。反対に、何でも万能に遊びたい人には、最初から別の候補を見たほうが後悔は少ないでしょう。
第一印象は“懐かしいのに今っぽい”
箱から出してまず感じやすいのは、見た目の懐かしさです。縦長のフォルム、正面にまとまった操作系、手の中にすっと収まる雰囲気。この時点で、レトロゲーム好きにはかなり刺さります。
ただ、実際に触ってみると、単なる復刻調のハードではありません。質感は想像より現代的で、安っぽさだけが前に出る感じは薄めです。軽さも印象的で、持った瞬間に「見た目ほど重くない」と感じる人は多いはず。ここは地味ですが大事なポイントで、持ち歩く前提のゲーム機としてはかなり好感触でした。
私は縦型機に対して、かわいさはあっても長時間プレイには向かないのではないかという先入観を持っていました。ところが、Retroid Pocket Classicは“眺めて楽しい”だけで終わらず、“触ってみると意外に実用寄り”という印象に変わっていきました。
画面の満足度はかなり高い
この機種の良さを語るうえで、画面は外せません。実際にレトロゲームを映したときの発色がきれいで、背景の黒が締まり、ドット絵の輪郭も見やすく感じやすい構成です。派手すぎるというより、画面を見た瞬間に「これは気分が上がるな」と思えるタイプでした。
とくに、色数の多いGBA系タイトルや、発色の気持ちよさが重要なネオジオ系の作品を動かすと、画面の恩恵がわかりやすいです。昔のゲームそのものが急に新しくなるわけではないのに、表示の鮮やかさだけでかなり印象が変わります。
ここは数字のスペック表を見るだけでは伝わりにくい部分でした。実際に遊んでみると、処理性能以上に“見る快適さ”が満足度を押し上げている感覚があります。レトロゲーム機選びではつい対応機種やチップ性能に目が行きがちですが、Retroid Pocket Classicは画面の魅力がかなり大きい一台です。
操作感は良い意味でも悪い意味でも個性がある
ボタンや十字キーの感触は、万人受けするとは言い切れません。ここは正直に書いておきたいところです。ふわっと沈み込む柔らかい押し心地を期待すると、少し印象が違う可能性があります。人によってはクリック感が強いと感じるでしょうし、押したときの感触に好みが分かれそうです。
私がこのタイプの操作感で感じたのは、反応の明快さです。入力した感覚がはっきりしていて、レトロアクションやシューティングのようなテンポ重視のゲームでは気持ちよく感じやすい場面がありました。一方で、静かなボタンやしっとりした押し味を好む人には、やや硬質に映るかもしれません。
つまり、Retroid Pocket Classicの操作系は出来が悪いというより、性格がはっきりしているという表現のほうが近いです。ここを魅力と感じるか、惜しいと感じるかで評価が分かれやすい。購入前に最も意識したい部分は、実はここかもしれません。
2Dゲームとの相性はとてもいい
この機種が一番輝くのは、やはり2D中心のゲームです。ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、スーパーファミコン、メガドライブ、PlayStation初期世代あたりを触っていくと、縦型の形と十字キー主体の操作がしっくりきます。
短い時間でも遊びやすいのも強みでした。RPGで少しだけレベル上げをする、横スクロールアクションを1ステージだけ進める、シューティングを1周だけ試す。こうした遊び方が自然にできるのは、縦型機ならではです。横型ハードより大げさな感じが薄く、取り出した瞬間にそのままゲームへ入りやすい感覚があります。
私はこういう“すぐ遊べる気軽さ”が思った以上に大きいと感じました。性能だけなら上を目指せる機種はいくつもありますが、なんとなく手が伸びる回数で考えると、Retroid Pocket Classicはかなり優秀です。
逆に、向いていない遊び方もある
いい点ばかりではありません。縦型の宿命というべきか、肩ボタンを頻繁に使うゲームでは持ち方に少し工夫が必要です。軽い本体なので疲れにくい反面、プレイスタイルによっては手の位置がしっくりこない場面が出ます。
また、アナログスティックがないことで、遊ぶタイトルの相性ははっきり分かれます。とくに3Dゲームを幅広く、快適に、という期待を持つと少しズレが出やすいです。PS2やゲームキューブ系がまったく無理というわけではありませんが、すべてを安心して任せるタイプのハードではありません。
ここを勘違いすると満足度が下がりやすいでしょう。Retroid Pocket Classicは“何でもできる最強機”というより、“遊ぶジャンルが合えばかなり気持ちよく使える専用機寄りの万能機”と捉えたほうが失敗しにくいです。
4ボタン版と6ボタン版はどちらがいいのか
選ぶ段階で悩みやすいのが、4ボタン版と6ボタン版です。これは見た目だけでなく、遊ぶゲームの傾向でも決めやすくなります。
一般的な任天堂系のレトロゲームや、幅広いタイトルを無難に楽しみたいなら4ボタン版が入りやすいはずです。見た目のバランスも取りやすく、昔ながらの携帯機らしさを求める人にも馴染みやすいでしょう。
一方で、メガドライブ系や格闘ゲーム、ボタン数を活かしたいタイトルを触るなら6ボタン版の魅力はかなり強くなります。単にレトロっぽいだけでなく、“遊び方に意味のある6ボタン”として活きてきます。
迷ったときは、自分が思い出すゲームがどのハードのものかを基準にするのがわかりやすいです。任天堂系の記憶が強いなら4ボタン、セガ系や格ゲーの印象が強いなら6ボタン。この考え方だと選びやすくなります。
バッテリーの安心感は日常使いで効いてくる
携帯機はスペックよりも、気づけば充電が切れているストレスのほうが印象に残ります。その点で、Retroid Pocket Classicは日常的に扱いやすい部類に入ります。毎日長時間遊ぶ人はもちろん、数日おきに触る人でも“いざ遊ぼうとしたら空だった”という不満が出にくい構成です。
個人的には、この安心感が思った以上に大きかったです。レトロゲームを遊ぶ時間は、気合いを入れて確保するというより、ちょっとした空き時間にねじ込むことが多いからです。通勤前、寝る前、休日のすき間。そういう断片的な時間に自然に付き合ってくれるのは、携帯機としてかなり価値があります。
他機種と比べたときの立ち位置
市場には高性能な携帯ゲーム機も多く、価格を上げればもっと重いゲームに強い製品も見つかります。たとえば、縦型でより高級感や強い性能を求めるならAYANEO Pocket DMGのような選択肢もあります。ただし、価格差を考えると比較の軸は変わってきます。
Retroid Pocket Classicの良さは、豪華さ一点突破ではなく、画面の満足度、価格感、見た目、遊びやすさのバランスがいいところです。触るたびにテンションが少し上がる、でも扱いづらくはない。このちょうどよさが、数字以上の魅力になっています。
Retroid Pocket Classicはどんな人におすすめか
この機種が向いているのは、レトロゲームを“雰囲気ごと”楽しみたい人です。単に動けばいいのではなく、見た目や持ち心地、画面の美しさまで含めて満足したい人にはかなり相性がいいでしょう。
とくにおすすめしやすいのは、次のようなタイプです。
昔の縦型携帯機の空気感が好きな人。
2Dゲームや十字キー中心の作品をよく遊ぶ人。
レトロゲームを短時間でこまめに楽しみたい人。
画面のきれいさを重視する人。
価格と満足度の釣り合いを大切にしたい人。
逆に、3Dゲームを幅広く快適に遊びたい人、アナログ操作が前提のタイトルを重視する人、ボタンの感触に強いこだわりがある人は慎重に見たほうがいいと思います。
実際に使って感じた総評
Retroid Pocket Classicは、触る前と触った後で印象が変わりやすいゲーム機です。最初は見た目のかわいさや懐かしさに目が向きますが、使い始めると画面の良さと、2Dゲームとの相性の良さがじわじわ効いてきます。
その一方で、すべての人にとって完璧な一台ではありません。操作感には個性があり、縦型ゆえの制約もあります。だからこそ、何を遊びたいかをはっきりさせたうえで選ぶと、この機種の良さがしっかり伝わります。
もしあなたが、レトロゲームをただ消化するのではなく、気分よく味わいたいと考えているなら、Retroid Pocket Classicはかなり有力な候補です。懐かしい形を借りた新しい遊び道具として、思っていた以上に長く手元に残る一台になるかもしれません。


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