「押し入れに眠っている大量のアルバムを、なんとかコンパクトにまとめたい」「でも、業者に頼むと高いし、スマホのスキャンアプリだと画質が物足りない……」
そんな悩みを持つ方に、今もっとも現実的な選択肢として浮上するのがEPSON GT-S660です。実売価格1万円前後というエントリーモデルながら、中身は驚くほど「写真愛好家」に寄り添った設計になっています。
今回は、実際にEPSON GT-S660を使い倒して分かった、カタログスペックだけでは見えてこない「生の声」を徹底解説します。
なぜ今、あえてフラットベッドスキャナーなのか?
最近はスマホの性能が上がり、書類ならカメラで十分という風潮があります。しかし、光沢のある「写真」だけは別物。部屋の照明が反射して白飛びしたり、レンズの歪みで端が曲がってしまったりと、納得のいく保存は至難の業です。
EPSON GT-S660は、原稿台にピタッと写真を固定してスキャンするため、テカリや歪みが一切ありません。さらに、4800dpiという高解像度は、L版写真をA4サイズに引き伸ばして印刷しても耐えられるほどの情報量を保持してくれます。
実際に使って感動した「体験」の記録
1. 「退色復元」は魔法に近い
30年以上前の、オレンジ色に変色してしまった家族写真。これをEPSON GT-S660でスキャンし、設定の「退色復元」にチェックを入れるだけで、当時の鮮やかな空の青や肌の赤みが蘇りました。Photoshopなどで難しい加工をする必要がなく、スキャンと同時に「思い出がリマスターされる」感覚は、この機種を使う最大の醍醐味です。
2. 「並べて置いて一気にドン」の快感
1枚ずつスキャンするのは骨が折れますが、EPSON GT-S660の原稿台にはL版写真なら3〜4枚並べることができます。専用ソフトが個々の写真を自動で判別し、別々のファイルとして保存してくれるので、作業効率が劇的に上がります。この「自動切り出し精度」が非常に高く、斜めに置いてしまっても勝手に水平補正してくれるのが心強いポイントです。
3. ケーブル1本の潔さ
地味に嬉しいのが、電源アダプターが不要な点です。PCとUSBケーブル1本で繋ぐだけで動く「USBバスパワー駆動」なので、リビングのテーブルにサッと持ってきて作業し、終わったら棚の隙間に立てて収納する。この「重い腰を上げなくて済む」手軽さが、放置していたアルバム整理を完遂させる鍵になります。
購入前に覚悟しておくべき「リアルな欠点」
良いことばかりではありません。使ってみて「ここは割り切りが必要だ」と感じた点も正直にお伝えします。
- 「速さ」を求めてはいけない: 1枚の写真を最高画質でスキャンしようとすると、それなりに時間がかかります。「1秒でスキャン完了!」という爆速機ではありません。お茶を飲みながら、思い出を振り返る余裕を持って作業する人向けです。
- 端っこ問題: スキャン範囲のギリギリ端に写真を置くと、数ミリ欠けてしまうことがあります。少し中央に寄せて配置するのが、失敗しないためのコツです。
- 大量の書類には不向き: 1枚ずつ手でめくるタイプなので、数百枚の書類をPDF化したいなら、自動給紙ができるES-50などのシートフィード型を選ぶべきでしょう。
【結論】GT-S660はどんな人にベストか?
EPSON GT-S660は、以下のような方にとって「お値段以上」の価値を提供してくれます。
- 実家のアルバム整理をミッションにしている方
- 子供が描いた絵や工作の写真を、綺麗にデータで残したい方
- デスクが狭く、立てて収納できるスキャナーを探している方
逆に、ビジネス用途で「とにかくスピード重視」という方には不向きです。しかし、「一枚の写真を大切に、当時の色のまま残したい」という願いには、この価格帯でEPSON GT-S660以上の正解を見つけるのは難しいでしょう。
デジタル化した写真は、スマホやタブレットでいつでも見返せるようになります。重いアルバムを広げるハードルを下げ、思い出を「現在進行形」にするために。この1万円の投資は、決して高くありません。


コメント