モニターを探していると「75Hz」という表記が目に入る。60Hzより良さそうだけど、144Hzみたいな“別世界”でもなさそう。結局、買い替える価値はあるのか。結論から言うと、75Hzは「毎日PCを触る人ほどジワッと効く」。ただし、設定を間違えると何も変わらないし、そもそも用途によっては差が出にくい。ここを先に押さえておくと、無駄な買い物を避けられる。
僕が最初に75Hzを意識したのは、仕事用のサブモニターを増やしたときだった。メインはゲーミング寄りで高リフレッシュレート、サブは安めでいいやと60Hzにした。ところが、ブラウザのスクロールやウィンドウ移動で「あれ、こっちだけ微妙に重いな」と感じる瞬間が増えた。作業そのものは同じなのに、体感の“引っかかり”だけが残る。そこで候補に上がったのが75Hz。劇的ではないが、毎日触る操作感のストレスが減る。これが75Hzの本質だと思っている。
まず、75Hzって何か。1秒間に画面を更新する回数が75回という意味で、60Hzより更新が増える。つまりマウスカーソルの追従、スクロールの滑らかさ、画面の移動がわずかに自然に見えやすい。逆に、動画が突然きれいになるとか、文字が急に読みやすくなるとか、そういう方向の変化ではない。体感が出るのは「動き」だ。
じゃあ、誰に刺さるのか。答えはシンプルで、日常的に“動かす”人だ。たとえば資料をめくる、ブラウザを大量にスクロールする、表計算で上下に移動する、ウィンドウを頻繁に切り替える。こういう作業が多い人は、75Hzの小さな差が積み上がって「今日は目が疲れにくい気がする」「イライラが減った」に繋がりやすい。
一方で、刺さりにくいパターンもある。家庭用ゲーム機中心で、出力が60fpsに寄っている場合だ。モニターが75Hzでも、ゲーム側が基本60なら“素材”が増えない。もちろん操作感が全く同じとは限らないが、期待値を上げすぎると肩透かしになる。PCゲームでも同じで、GPUが60fps前後で頭打ちなら、75Hzの上限に届かない。ここは現実的に考えたほうがいい。
次に、超重要な落とし穴。買ったのに「75Hzのはずなのに変わらない」という話はだいたいこれで説明できる。設定が60Hzのまま。地味だけど本当に多い。Windowsならディスプレイの詳細設定でリフレッシュレートを選べるので、まず“今いくつで動いているか”を確認したい。買って満足して放置すると、60Hzのまま数ヶ月使うこともある。
さらに厄介なのは、そもそも75Hzが選べないケース。これ、製品のせいじゃなく接続のせいが多い。ケーブルが古い、変換アダプタが足を引っ張る、端子の組み合わせが微妙、解像度を上げすぎて上限に当たっている。例えば「この解像度では60Hzまで、解像度を落とすと75Hzが出る」ということが普通にある。まずは解像度を一段落として75Hzが選べるか試す。それで出るなら、原因は帯域だと切り分けできる。
ここからは、実際にモニターを選ぶときの話に入る。75Hzモニターで失敗する人は、Hzだけ見て他を軽視しがちだ。僕のおすすめは、優先順位をこう並べること。
第一にサイズと解像度。デスクの距離感が合わないと、Hz以前に疲れる。次にパネル。写真や文章中心ならIPS系が無難になりやすい。次に端子。ここをサボると「75Hz出ない地獄」になる。最後に、ゲームを少しでもやるなら可変リフレッシュレート(FreeSync系など)の有無を見る。75Hz帯は“わずかなズレ”が気になる領域なので、フレームの上下が多い環境では同期機能が効いてくる。
製品例を挙げると、作業用の鉄板として名前が出やすいのがDell S2421HSやDell S2721HSあたり。安定した作りで、変なクセが少ない。もう少しコストを抑えたいなら、シンプル路線のDell SE2422Hも候補に入る。画質と価格のバランスで人気が出やすいのはLG 24MP400-Bみたいな定番。家で作業していて「この価格帯でも十分だな」と感じやすいタイプだ。
目の前の文字と向き合うだけじゃなく、たまにゲームもする人なら、いわゆる“ゲーミング寄りのベーシック”も混ぜたい。例えばAOC 24G2E5/11みたいに、ゲーム用途の話題に乗りやすいモデルは記事に自然に登場する。派手すぎず、でも要点は押さえられる。メーカーの安心感を重視するならHP M24fも選択肢になるし、コスパ系で名前が挙がりやすいところだとAcer SA240Yもよく出てくる。迷ったときの候補としては十分だ。
“派手さより、毎日使う道具感”で選ぶなら、長年定番枠にいるPhilips 243V7QJAB/11みたいなモデルも話題にしやすい。あとは昇降や回転など、姿勢づくりが効いてくると、作業が一気に楽になる。そういう意味で、スタンド機能がしっかりしたiiyama XUB2492HSU系は「買ってから良さが分かる」タイプだと思う。
ここまで読んで、「でも75Hzって結局どれくらい変わるの?」という疑問は残るはず。答えは正直で、劇的じゃない。だけど、60Hzで感じていた“引っかかり”が薄まる。スクロールが少し軽い。カーソルが少し素直。たったそれだけなのに、毎日の積み重ねで気分が変わる。僕はこの差を、キーボードを静音に変えたときの満足感に近いと思っている。何かが爆上がりするんじゃなく、ストレスが減る。
最後に、購入前のチェックを短くまとめる。①自分の用途が60fps固定中心なら過度に期待しない、②端子とケーブルの組み合わせを軽視しない、③買ったら必ず設定で75Hzになっているか確認する。この3つさえ押さえれば、75Hzモニターは「ちょうどいいアップグレード」になりやすい。60Hzのままでモヤモヤしているなら、一段だけ上げる選択肢として、75Hzは案外アリだ。


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