Radeonのエンコーダーが気になって、実際に使い込んでみた
Radeonのエンコーダーが気になり始めたのは、ゲームの録画をもっときれいに残したかったからです。CPUエンコードで粘る方法もありますが、長時間録画や配信を続けると、どうしてもPC全体の余力が気になってきます。そこで目を向けたのが、GPU側のハードウェアエンコードでした。
正直に言うと、最初は「Radeonのエンコーダーは昔よりよくなったらしい」くらいの認識しかありませんでした。ところが、実際にOBS Studioで設定を変えながら録画と配信を試していくと、印象はかなり変わりました。単なるスペックの話ではなく、設定の詰め方と使いどころがわかれば、十分に実用的だと感じたからです。
この記事では、Radeonのエンコーダーが何なのかという基本から、OBS Studioで使ったときの体感、AV1・H.264・HEVCの使い分け、そして実際に「ここは良かった」「ここはまだ気になる」と感じた点まで、体験ベースでまとめます。
Radeonのエンコーダーとは何か
Radeonのエンコーダーは、簡単に言えばGPUを使って動画を圧縮する仕組みです。ゲーム画面の録画やライブ配信、動画の書き出しで使われることが多く、CPU側の負担を抑えやすいのが大きな魅力です。
普段この手の話を追っていないと、「結局どれを選べばいいのか」が見えにくいのですが、実際に触ると判断軸は意外とシンプルでした。録画画質を重視するならAV1、互換性を含めて無難にいくならH.264、画質とファイルサイズのバランスを見るならHEVC、この3つの考え方で整理しやすいです。
私も最初は名前だけ見て迷いましたが、何本か録画して見返したあとには、用途で選び分けるのがいちばん早いと感じました。どれが絶対に正解というより、「何を優先したいか」で答えが変わります。
最初に結論を書くと、Radeonのエンコーダーは十分使える
先に結論を書くと、Radeonのエンコーダーは十分使えます。少なくとも「使い物にならないのでは」と心配している人なら、その不安はかなり小さくしていいと思います。
実際に使ってみて感じたのは、録画用途との相性の良さです。特にAV1で録画したときは、同じような条件でも映像のまとまりがよく、細かいUIやテキストの残り方が自然でした。ゲームによって差はありますが、草木のざわつきや暗い場面のにじみ方も、以前抱いていたイメージより明らかに改善していました。
一方で、すべての場面で万能というわけでもありません。配信先の仕様、視聴環境、編集ソフトとの相性なども関わってきます。だからこそ、「録画ならかなり前向きに選べる」「配信は条件を見て選ぶ」という整理がしっくりきました。
実際に試したとき、最初は設定で少し迷った
最初にOBS Studioを開いたとき、いちばん悩んだのは設定名の意味でした。エンコーダーの種類はわかっても、その先に出てくる細かい項目は、慣れていないと感覚で触るしかありません。
私が最初にやってしまったのは、「とりあえず新しい規格のAV1を選べば全部うまくいくだろう」と考えたことです。たしかに録画では期待通りの場面が多かったのですが、最初の設定のままだと、思っていたほど劇的な差が出ないこともありました。ここで気づいたのが、エンコーダーは選ぶだけで終わりではなく、ビットレートやプリセットの詰め方まで含めて初めて評価できるということです。
何度か短い録画を回して、激しくカメラを振るシーン、暗い屋内、細かい字幕の場面を見返していくうちに、「見た目の印象はかなり変わる」とはっきり感じました。最初の1回だけで判断しなくてよかったと思ったポイントです。
録画ではAV1の良さをかなり実感できた
いちばん手応えが大きかったのは録画です。とくにプレイ後に映像を見返したとき、AV1で録った映像は全体の粘りがありました。細かいUI、輪郭の細い文字、木々の葉や草地のような情報量が多い場面で、「あ、こっちのほうがきれいに残っている」と感じやすかったです。
以前は録画ファイルを見返すと、動きの激しいところで少しザラついたり、情報量の多い背景がざわついて見えることがありました。でもRadeonのAV1設定を調整しながら試すと、その崩れ方がかなり穏やかになりました。もちろんソースのゲームや解像度によって印象は変わりますが、録画を保存してあとで見返す用途なら、AV1を最初の候補にしてよいと感じています。
ファイルサイズとのバランスも見やすく、単純に「大きいのにそこまで差がない」というガッカリ感が少なかったのも好印象でした。録画を長めに回す人ほど、この点は地味に効いてきます。
H.264は無難だが、期待値の置き方は大事だった
H.264は今でも扱いやすい方式ですし、互換性の面では安心感があります。だから私も最初は「迷ったらH.264でいいだろう」と考えていました。実際、トラブルなく動かしたいときや、再生環境を選びたくないときには頼りになります。
ただ、録画したものを並べて見たときには、「無難だけれど、いちばん印象が良いとは限らない」と感じました。動きの速い場面や、細部の情報が多いシーンでは、AV1やHEVCに軍配が上がると感じることがありました。H.264が悪いというより、今の目線で見ると、より有利な選択肢が増えたという印象です。
配信用途では依然として候補に入りますが、「とりあえずこれで最強」という感覚では使わなくなりました。今はむしろ、互換性重視か、環境をそろえて安全に運用したいときに選ぶことが多いです。
HEVCは意外と現実的で、録画用途なら十分有力
AV1ほど話題に上がりやすくはありませんが、HEVCもかなり現実的でした。私の使い方では、AV1ほどの新鮮な驚きはなかったものの、H.264より見た目が落ち着く場面が多く、録画用としては十分有力です。
特に、「AV1を使いたいけれど、環境や運用上の理由でまだ少し不安がある」という人には、HEVCはちょうどいい落としどころになりやすいと感じました。設定も比較的扱いやすく、見返した映像の印象も悪くありません。
私も何本かHEVCで録ってみましたが、ゲームプレイを残す目的ならかなり満足感がありました。配信よりも録画寄りの人なら、AV1と並べて一度試す価値は十分あります。
実際に配信を試して感じた、録画とは違う難しさ
録画ではかなり好印象だった一方で、配信になると考えることが増えます。理由は単純で、自分だけが見る録画と違って、配信は視聴側の環境や配信先の仕様が関わるからです。
実際に試してみると、録画のときほど「見た目だけで即決」しにくいと感じました。映像だけでなく安定性や互換性も大事で、結果として設定の落としどころを探る時間が増えます。ここはRadeonに限らず、配信全般の難しさでもあります。
私の場合、録画のときはAV1の良さをかなり素直に感じられましたが、配信では「画質」「安定」「視聴環境」の3つのバランスを見るようになりました。この違いを理解しておくと、設定迷子になりにくいです。
使ってわかったRadeonエンコーダーの良かったところ
Radeonのエンコーダーを使っていちばん助かったのは、録画や配信をしながらでもプレイの邪魔をされにくかったことです。CPUエンコードを試していたころは、ゲームによっては明らかに余裕が削られる感覚がありましたが、GPU側で処理できるとその負担感が和らぎます。
それから、映像を見返したときの印象が想像以上に良くなりました。これはスペック表を見ているだけではわからない部分で、実際に自分のプレイ映像をフルスクリーンで再生したとき、「これなら残しておきたい」と思えたのは大きかったです。
もうひとつ良かったのは、試行錯誤しやすいことでした。OBS Studioで短い録画を何本か作って見比べると、設定の違いが意外と見えてきます。やればやるほど、自分に合う形に寄せられる感覚がありました。
一方で、気になったところも正直に書いておきたい
使っていて気になったのは、「初回から理想の設定にたどり着きにくい」ことです。これはRadeonだけの話ではありませんが、ハードウェアエンコードは項目が多く、慣れるまでは少しとっつきにくいです。
それと、ネット上では極端な評価を見かけることがありますが、実際にはそこまで単純ではないと感じました。ある条件ではかなり良く見えても、別のゲームや別の配信条件では印象が変わるからです。だから「絶対にこれ一択」と決めつけるより、自分の用途で確認したほうが納得しやすいです。
私も最初は評判だけを頼りに判断しようとしましたが、最終的には自分の映像を見返すことがいちばん参考になりました。特に暗い場面、細かいUI、速いカメラ移動は、設定差が出やすいと感じています。
私が落ち着いた、失敗しにくい考え方
いろいろ試したあと、考え方はかなりシンプルになりました。録画を重視するなら、まずAV1を試す。環境や運用の都合で少し気になる点があるならHEVCも検討する。互換性や安定感を優先するならH.264を使う。この順番です。
大事なのは、最初から長時間の本番録画をしないことでした。数分のテスト録画を何本か回して、同じシーンを見比べるだけでも、かなり判断しやすくなります。私はこれをやるようになってから、設定の迷いがかなり減りました。
特に効果が大きかったのは、草木が多い場面、暗所、文字表示の多い画面で比較することです。静止画っぽいシーンだけだと差が見えにくいのですが、崩れやすい条件で見比べると傾向がつかみやすくなります。
Radeonのエンコーダーはこんな人に向いている
Radeonのエンコーダーが向いているのは、まずゲーム録画をきれいに残したい人です。プレイ動画を保存したい、あとで見返したい、動画素材として使いたいという人には、かなり相性がいいと感じました。
次に向いているのは、配信と録画をできるだけGPU側でまかないたい人です。CPUの余力を少しでも確保したいなら、ハードウェアエンコードの恩恵はわかりやすいです。
逆に、「何も考えず一発で最適解にたどり着きたい」という人は、最初だけ少し戸惑うかもしれません。ただ、それでも数回テストすれば感覚はつかめるので、難しすぎるというほどではありませんでした。
いま振り返ると、評判だけで判断しなくてよかった
Radeonのエンコーダーについて調べると、今でもいろいろな意見が出てきます。良いという声もあれば、慎重な見方もあります。ですが、自分で試してみて感じたのは、昔の印象だけで判断するのはもったいないということでした。
少なくとも私の体感では、録画用途ではかなり前向きに選べますし、配信でも条件次第で十分現実的です。大切なのは、用途をはっきりさせることと、自分の映像で比較することでした。
最終的に、私は「録画はかなり満足度が高い」「配信は条件を見て選ぶ」という結論に落ち着きました。Radeonのエンコーダーは、以前の先入観よりずっと試す価値があります。録画や配信の画質を見直したいなら、一度きちんと触ってみる価値は十分あるはずです。


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