2012年の発売から10年以上が経過してもなお、私の書斎の特等席に鎮座しているプリンターがあります。それがEPSON EP-805Aです。
「もう古いから買い替えたら?」という家族の声をよそに、なぜ私はこの1台を使い続けているのか。そして、多くのユーザーが直面する「あのトラブル」をどう乗り越えてきたのか。長年連れ添ったからこそわかる、血の通ったレビューをお届けします。
まるで魔法?当時衝撃を受けた「自動開閉」の心地よさ
EPSON EP-805Aを語る上で外せないのが、印刷ボタンを押した瞬間の「おもてなし」です。
操作パネルが自動でせり上がり、排紙トレイがスルスルと伸びてくる。初めてこの動きを見た時のワクワク感は、今の最新機種を見ても色褪せません。棚の中にスッキリ収まる超コンパクト設計なのに、いざ仕事が始まるとトランスフォーマーのように形を変える。この「省スペースと機能性の両立」こそが、日本の住宅事情にマッチしたエプソンの黄金期を象徴するデザインだと感じます。
実際に使ってわかった「6色インク」の真価
最近のプリンターは4色インクでコスト優先のモデルが増えましたが、EP-805Aはこだわりの6色染料インクです。
子供の運動会の写真や、旅行の風景をL判でプリントした時の「奥行き」は、やはり別格。ライトシアンとライトマゼンタがあるおかげで、肌の色がガサつかず、非常に滑らかに描写されます。10年前の写真を引っ張り出しても、純正インク IC6CL70Lで刷ったものは今でも鮮やかなまま。これは体験した人にしかわからない、目に見える資産です。
突然の沈黙…「廃インク吸収パッド」の限界という壁
長く愛用していると、必ずと言っていいほど訪れる絶望の瞬間があります。それが「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達しました」というエラーメッセージです。
この表示が出ると、プリンターは一切の操作を受け付けない鉄の塊と化します。メーカーの修理サポートはすでに終了しているため、普通ならここで廃棄を考えます。しかし、私は諦めきれず、ネットで話題の「リセットツール」と「交換用パッド」を駆使して自力での復旧に挑みました。
本体を分解し、真っ黒に汚れたパッドを交換する作業は正直骨が折れますが、再び電源が入った時の感動はひとしお。もし皆さんが同じ状況なら、廃インク限界リセットをキーワードに、最後の延命策を探ってみる価値は十分にあります。
現代でも通用する「スマホ連携」の利便性
10年前の機種と侮るなかれ。専用アプリ「Epson iPrint」を使えば、iPhoneやAndroidから直接写真を飛ばして印刷できます。
年賀状の時期だけ引っ張り出してくるような使い方でも、Wi-Fi設定さえ生きていれば、PCを立ち上げる手間なくハガキ印刷が完了します。この「枯れた技術の安定感」こそが、新機種に数万円払うよりもEP-805Aを使い続ける最大のメリットかもしれません。
結論:EP-805Aは「メンテナンスしてでも使う価値」がある
もちろん、最新のEP-886Aなどに比べれば、インクの減りが早かったり、起動時のヘッドクリーニングが長かったりという弱点はあります。
しかし、手の届く範囲に必要な機能がすべて凝縮され、かつ愛着の湧くギミックを備えたEP-805Aは、間違いなくエプソンの歴史に残る名機です。もし中古で状態の良いものを見つけたり、手元にエラーで止まっている個体があるなら、ぜひ一度手をかけてあげてください。
手間をかけた分だけ、このプリンターはきっと期待に応える最高の一枚を吐き出してくれるはずです。
この記事が、あなたのプリンターライフを少しでも長く、豊かなものにする助けになれば幸いです。
次は、EP-805Aのインクコストを抑えるための「互換インクの賢い選び方」について詳しく解説しましょうか?


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