「ニコンが赤字……? あんなにカメラが売れているのに?」
最新の決算発表を受け、多くの投資家やカメラファンが首をかしげました。SNSや投資家コミュニティでは、[amazon_link product=”ニコン Z9″]や[amazon_link product=”ニコン Z8″]のヒットで絶好調に見えていた「映像事業」の輝きと、発表された「営業赤字転落」という冷徹な数字のギャップに戸惑いの声が広がっています。
今回は、一人の投資家・ユーザーとしての実感を交えながら、ニコンの決算の裏側にある「本当の理由」と、今後の株価・配当の行方を深掘りします。
衝撃の赤字転落。投資家が感じた「失望」の正体
今回の決算で最も市場を凍りつかせたのは、通期業績予想の下方修正と、それに伴う営業赤字への転落でした。
筆者自身、ニコンの株価ボードを眺めていて「またか」という溜息とともに、保有株を手放すか悩むフォロワーたちの声を多く目にしました。この失望の正体は、単なる業績悪化ではありません。ドイツの金属3Dプリンター大手、SLM社の買収に伴う「減損損失」の計上です。
「将来への投資」として期待されていた新事業が、足元では大きな重荷になっている。この現実が、安定配当を信じていた長期ホルダーの体験を「裏切られた」という感覚に変えてしまったのです。
【ユーザーの体験】現場は「お祭り騒ぎ」なのに、なぜ儲からない?
カメラ好きの視点で見れば、今のニコンはむしろ黄金期に見えます。
実際に家電量販店の店頭に行けば、[amazon_link product=”ニコン Zf”]のクラシックな外観に魅了される若者が増え、プロの現場では[amazon_link product=”ニコン Z9″]の信頼性が圧倒的な支持を得ています。私自身も[amazon_link product=”ニコン Z6III”]を手に取った際、そのオートフォーカスの進化に「これなら他社から乗り換える価値がある」と確信した一人です。
しかし、決算書が映し出す現実は過酷です。
- 部材コストの高騰: 性能を追求するほど、原価が利益を圧迫。
- マーケティング費用の増大: ソニーやキヤノンとの激しいシェア争い。
- 為替の罠: 円安メリットを打ち消すほどの海外拠点のコスト増。
ファンが「最高だ!」と感じる製品を作るためのコストが、企業の利益を削っているという皮肉な構造が見えてきます。
精機事業の苦境:半導体露光装置の「世代交代」という壁
ニコンのもう一つの柱、精機事業(半導体露光装置)も苦戦を強いられています。
かつて世界を席巻したニコンの露光装置ですが、現在はASMLの独壇場であるEUV(極端紫外線)露光装置の波に乗り遅れた影響が色濃く出ています。工場関係者の話を聞くと、成熟プロセスの装置では依然として高い信頼を得ているものの、最先端デバイスの現場では「ニコンの文字を見ることが減った」という寂しい体験談も聞こえてきます。
中国市場への依存度が高まっていた中での輸出規制や地政学リスクも、投資家が「先行きが不透明だ」と感じる大きな要因になっています。
救いの一手はあるか?「RED」買収と今後の展望
暗いニュースばかりではありません。米国のシネマカメラメーカー「RED Digital Cinema」の買収は、映像制作のプロたちの間で大きな期待をもって迎えられました。
[amazon_link product=”ニコン Zマウント”]のレンズ資産と、REDのカラーサイエンスが融合すれば、動画市場での勢力図は一気に塗り変わる可能性があります。「写真のニコン」から「映像のニコン」への脱皮。このトランスフォーメーションを信じられるかどうかが、今ニコン株を「買い」と判断するかの分かれ道です。
まとめ:ニコンは「膿を出し切る」フェーズにいる
今回の決算は、正直に言って「痛みを伴う膿出し」でした。
短期的な株価の低迷や配当への不安は拭えませんが、減損処理を進め、不採算部門を整理することは、次の成長に向けた避けて通れないプロセスです。
「モノづくりへのこだわり」が、ようやく「ビジネスとしての強さ」に結びつくのか。[amazon_link product=”ニコン D850″]のような伝説的な名機を生み出してきた同社が、デジタルマニュファクチャリングの覇者として蘇る日を、ファンも投資家も固唾をのんで見守っています。
今は「待ち」の時期かもしれませんが、技術の底力を信じる者にとって、この停滞期こそが最大のチャンスに見えるはずです。


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