「カメラは単なる道具ではなく、人生を記録する相棒だ」——そんな風に考える人にとって、[amazon_link product=”Nikon Z f”]は抗いがたい魅力を放つ一台です。
発売から数ヶ月、私の手元に届いたこのカメラを毎日持ち歩いて分かったのは、これが単なる「懐古趣味のデジカメ」ではないということ。中身は最新鋭の[amazon_link product=”Nikon Z 8″]譲りのエンジンを積んだ、現代のスナップ・モンスターでした。今回は、実際に使い込んだからこそ見えてきた「手触りの記憶」と「本音の欠点」を余すことなくお届けします。
真鍮ダイヤルが指先に教える「撮る喜び」
箱から取り出した瞬間、まず指先に伝わってきたのは冷たく、そして重厚な「金属の温度」でした。近年の軽量な樹脂製カメラでは味わえない、確かな物質感がそこにあります。[amazon_link product=”Nikon Z f”]のダイヤル類には亜鉛合金ではなく「真鍮」が採用されており、使い込むほどに表面が剥げて金色が顔を出すかもしれない……そんな経年変化への期待が、所有欲を激しく揺さぶります。
実際にシャッターを切ってみると、その「音」と「感触」に驚きました。機械式シャッターの小気味よい「パシャッ」という響きは、撮影のテンポを整えてくれる魔法のようです。バリアングル液晶の裏面にまで施された人工皮革の質感も高く、液晶を閉じて「軍艦部のダイヤルだけで露出を決める」という行為そのものが、効率優先の現代において最高に贅沢な遊びに感じられます。
レトロな見た目を裏切る、異次元のAF性能
正直に言えば、購入前は「デザイン重視だから、AF性能はそこそこでも我慢しよう」と思っていました。しかし、その予想は良い意味で裏切られました。[amazon_link product=”Nikon Z f”]に搭載された画像処理エンジン「EXPEED 7」は、まさに化け物です。
夕暮れの暗い街角で、こちらに向かって歩いてくる猫の瞳を、暗闇の中から瞬時に見つけ出し、粘り強く追い続けます。被写体検出の精度は、プロ機である[amazon_link product=”Nikon Z 9″]譲り。マニュアルフォーカスレンズを使っている時でさえ、被写体の瞳にフォーカスポイントを自動で合わせてくれる機能には、思わず「お前、見た目によらず賢いな」と声をかけたくなりました。
特に感動したのは、新機能の「モノクロームセレクター」です。静止画・動画の切り替えレバーの横に配置されたこのスイッチをカチッと入れるだけで、世界から色が消えます。深い黒が印象的な「ディープトーンモノクローム」で街を切り取ると、見慣れた景色が一遍の映画のように見えてくるから不思議です。
1ヶ月使って分かった「ここが惜しい」本音の不満
もちろん、恋は盲目ではありません。毎日使えば「あばた」も見えてきます。
まず、グリップ性能です。デザインを優先したフラットなボディは、単焦点レンズなら問題ありませんが、[amazon_link product=”NIKKOR Z 24-120mm f/4 S”]のような少し重めのレンズを付けると、指が悲鳴を上げます。結局、私は[amazon_link product=”SmallRig Z f専用L型グリップ”]を装着しました。これで操作性は劇的に向上しますが、せっかくの薄いシルエットが犠牲になるというジレンマがあります。
次に、記録メディアの仕様です。SDカードとmicroSDカードのダブルスロットなのですが、microSDカードの取り出しが非常に困難です。ピンセットが必要かと思うほど奥まった位置にあるため、基本的には「入れたまま」で運用することになります。ここは素直にSDカードのデュアルスロットにしてほしかったのが本音です。
結論:このカメラは「誰」のものか?
[amazon_link product=”Nikon Z f”]は、スペック表の数字だけを見て買うカメラではありません。
- 重くても、金属の質感を愛でたい
- 効率よりも「ダイヤルを回す手間」を楽しみたい
- モノクロ写真に自分だけの哲学を込めたい
そんな、写真に対して少し「偏愛」を持っている方にこそ、最高の相棒になるはずです。逆に、超望遠レンズで野鳥を追ったり、極限の軽さを求めるなら[amazon_link product=”Nikon Z 6III”]を選んだほうが幸せになれるでしょう。
効率ばかりが求められる令和の時代に、あえて「手間」を愛でる贅沢。[amazon_link product=”Nikon Z f”]を首から下げて街に出れば、きっと今まで素通りしていた光の美しさに気づかされるはずです。


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