NHKの「おかあさんといっしょ」で、1982年から1992年までの10年半という長きにわたり放送された『にこにこ、ぷん』。あのオープニング曲が流れるだけで、実家の居間の風景や、放送を食い入るように見ていた子供時代の記憶が鮮明に蘇るという方も多いのではないでしょうか。
特筆すべきは、キャラクターに命を吹き込んだ声優陣の圧倒的な表現力です。今改めて振り返ると、当時のキャスティングがいかに豪華で、職人技の結晶だったかに驚かされます。今回は、にこにこ島の仲間たちを演じたレジェンド声優たちのエピソードや、当時の熱気、そして視聴者の皆さんの胸に残る「体験」を深掘りしていきます。
「お前、うまそうだな!」江戸っ子猫・じゃじゃまる(肝付兼太さん)
「ゴロニャーゴ!」という威勢の良い挨拶がトレードマークだった袋小路じゃじゃまる。演じていたのは、[amazon_link product=”ドラえもん”]のスネ夫役でもおなじみの名優・肝付兼太さんです。
じゃじゃまるは、一見がさつで乱暴者に見えますが、実は寂しがり屋で情に厚い、まさに「江戸っ子の親分」のようなキャラクターでした。肝付さんのアドリブ混じりの軽快な演技は、子供心に「ちょっと怖いけど頼りになるお兄ちゃん」のような安心感を与えてくれました。
当時の収録現場では、肝付さんがムードメーカーとなり、後輩声優たちを引っ張っていたといいます。あの独特のかすれ声で繰り出される「うひょひょ」という笑い声は、今も私たちの耳の奥に心地よく残っています。
「ピコピコ〜」おしゃまなペンギン・ぴっころ(瀬戸口清香さん)
ペンギンの女の子、ふぉるてしも・ぴっころを演じたのは、歌手としても活躍されていた瀬戸口清香さんです。
ぴっころといえば、ピンク色の丸いフォルムと、「ピコピコ〜!」という可愛らしい笑い声が印象的でした。しかし、単に可愛いだけではなく、時にはじゃじゃまると互角に喧嘩をし、時にはぽろりをリードする、芯の強い「お姉さん」的な一面もありました。
当時の女の子たちは、外遊びでぴっころになりきって「ピコピコ」と言い合いながら遊んだ思い出があるはずです。瀬戸口さんの透明感のある歌声は、[amazon_link product=”NHKおかあさんといっしょ”]の歴代ソングの中でも、どこか懐かしく、切ない情緒を番組に添えていました。
「ボクは海賊ですから」気高きネズミ・ぽろり(中尾隆聖さん)
ヨットに乗って島にやってきた海賊の末裔、ぽろり・カジリアッチIII世。演じていたのは、[amazon_link product=”それいけ!アンパンマン”]のばいきんまんや、フリーザ役で知られる中尾隆聖さんです。
ぽろりは、気が弱くてすぐに泣いてしまうけれど、教養があって礼儀正しいというキャラクター。中尾さんの、あの独特の鼻にかかった艶のある声が、「泣き虫だけどプライドが高い」という難しい役どころに見事にマッチしていました。
今の世代が中尾さんの声を聞くと「ばいきんまんだ!」と反応しますが、昭和・平成初期を生きた世代にとっては、ぽろりの優しい「〜なのだ」という口調こそが原体験です。肝付さん演じるじゃじゃまるとのテンポの良い掛け合いは、まさに声優界の至芸でした。
公開収録と「にこにこ島」の魔法
当時の子供たちにとって最大のイベントといえば、NHKホールなどで行われる公開収録やファミリーコンサートでした。テレビの画面越しに見ていた3匹が、自分たちの目の前で動き、あの聞き慣れた声で喋りだす瞬間。その体験は、まさに魔法にかかったような衝撃でした。
大人になってから、[amazon_link product=”にこにこ、ぷん DVD”]を見返したという親御さんたちからは、「声優さんの演技が深すぎて、子供の頃より今の方が感動する」という声が多く聞かれます。
特に、かしの木おじさん(声:高木均さん)の包容力のある声が語りかける人生の教訓や、はなばなガールズが歌うシュールな歌。それらは、単なる子供向け番組の枠を超えた「芸術作品」としての深みを持っていました。
あの声はずっと、心の中で生きている
残念ながら、肝付兼太さんや高木均さんは鬼籍に入られましたが、彼らが命を吹き込んだキャラクターたちは、今もアーカイブや私たちの記憶の中で色褪せることはありません。
じゃじゃまる、ぴっころ、ぽろり。あの3匹が織りなした笑いと涙の物語は、日本中の子供たちに「友情」や「個性」の尊さを教えてくれました。ふとした瞬間にあの声が脳内で再生されるとき、私たちはいつでも、あの暖かなにこにこ島へと帰ることができるのです。
次の一歩として、当時の放送エピソードから特に人気のあった回を詳しく振り返る「神回まとめ」を作成しましょうか?


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