27インチって、数字だけ見ると「大きめ」に感じる。でも実際は、使い方と距離さえ合えば“ちょうどいい”に落ち着くサイズだ。24インチから乗り換えたとき、最初に変わるのは作業の広さよりも「視線の動き」だった。画面の端まで目だけで追えると思っていたのに、机が浅いと無意識に首が動く。これが地味に疲れる。27インチで後悔する人の多くは、サイズそのものより“置き方”でつまずいている。
まず最初にやるべきは、デスクの奥行きと目から画面までの距離の確認だ。ざっくり言うと、50〜70cmくらい距離が取れるとラクになる。机が浅くてモニターが近い場合、27インチの迫力がそのまま圧になってくる。私は一度、ノートPCの前に27インチを置いて「これ最高じゃん」と思った翌日、目の奥が重くなったことがある。原因は単純で、モニターが近すぎた。モニターアームで少し奥へ逃がしただけで、体感が別物になった。27インチは“距離で化ける”というのは、わりと本当だ。
次に迷うのが解像度。27インチはここが分かれ道で、結論から言うと「迷ったらQHD、こだわるなら4K」になりやすい。QHD(2560×1440)は文字の大きさが素直で、拡大率を触らなくても見やすいことが多い。仕事用でブラウザと資料とチャットを同時に開くような人なら、QHDの“ちょうど良さ”は強い。反対に4K(3840×2160)は精細さが気持ちいい。写真や動画、細かいUIの輪郭がシャキッと出て、戻れなくなる人もいる。ただし4Kは、Windowsの拡大率(スケーリング)次第で「広さ」の体感が変わる。思ったより文字が小さくて拡大したら、結果的に表示領域がQHDと大きく変わらなかった、という話もある。4Kを選ぶなら「精細さを買う」と割り切ったほうが納得しやすい。
ここからは用途別に、27インチの“ハマり方”を整理していく。
在宅ワークや学習がメインなら、最初に見るべきは目のラクさと扱いやすさだ。文章・表計算・ブラウザ中心なら、QHDが安定する。たとえばEIZO FlexScan EV2785みたいなビジネス寄りのモデルは、派手さより「長時間使っても疲れにくい」方向で作られていることが多い。もう少し予算を抑えつつも、4Kで仕事を快適にしたいならDell S2722QCのような4Kの定番を軸に、机の奥行きと拡大率をセットで考えると失敗しにくい。仕事用は“見栄え”より“毎日の疲れ”が効いてくるので、ここは素直に現実的な条件から決めるのがいい。
クリエイティブ用途、つまり写真編集やデザイン、動画のカット作業が多いなら、4Kの恩恵は分かりやすい。細部のジャギーが減って、タイムラインの情報量も増える。たとえばBenQ PD2705Uは“制作用”として名前が挙がりやすいモデルで、色の扱いを気にする人が候補に入れやすい。さらに上を見たいならBenQ PD2770Uのような系統も比較対象になる。もちろん、制作では色域や反射、部屋の照明も同じくらい大事だ。けれど「27インチで制作をする」なら、解像度の満足度はわりと直球で効く。作業の気持ちよさが上がると、集中の続き方が違う。
ゲーム用途はさらに分かりやすくて、何を遊ぶかで正解が割れる。FPSや対戦系を中心にするなら、解像度よりも応答性やフレームレートを取りやすいQHDが人気だ。例えばLG 27GP850-BやMSI MAG274QRF-QD、それからGIGABYTE M27Qあたりは“QHDゲーミング”の定番として比較されやすい。反対に、映像美で没入したいタイプなら4KやOLEDの満足度が強い。たとえばLG 27GR95QE-BのようなOLED系に惹かれる人は多いと思う。ASUSの最新系を追うならASUS ROG Swift OLED PG27UCDMのような名前も候補に入ってくる。PS5での利用を想定するなら、対応する入力やモードも含めて確認したくなるし、よりゲーム機に寄せるならSony INZONE M9 SDM-U27M90みたいな系統を比較する人もいる。要するに、27インチは“何のゲームをどれくらいやるか”を先に決めると、候補が一気に絞れる。
ここまで読んで「結局どれがいいの?」となると思うので、最後に失敗しやすいポイントを、買う前の頭の中の整理として置いておく。
一つ目は、机が浅いのに27インチを正面に近づけてしまうこと。27インチは、近いとただの圧になる。二つ目は、4K=広くなると決めつけること。拡大率を上げた瞬間に“広さ”の期待がすり減るので、4Kは精細さ目的だと考えたほうが気持ちが楽だ。三つ目は、端子や接続を軽く見ること。USB-C一本でやりたいのに結局ハブが増えたり、ノートPCとの相性で地味にストレスが積もったりする。四つ目は、仕事もゲームも…と全部盛りで考えて決めきれなくなること。優先順位を一つ上に置くだけで、候補は驚くほど整理される。
私のおすすめの決め方はシンプルで、まず「距離が取れる配置」を作る。次に、用途の比率でQHDか4Kを決める。迷うならQHDを基準にする。最後に、信頼できる定番を2〜3機種まで絞って、スペックの差より“自分の机で快適か”を想像する。27インチは、条件が揃うと本当に気持ちいい。逆に、条件を無視すると大きさがそのまま負担になる。だからこそ、サイズの話に見えて、実は「距離」と「解像度」の話だ。ここを押さえるだけで、27インチ選びはぐっと簡単になる。


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