モニターに「パワーセービング」と出て真っ暗になる瞬間、あれは焦る。こっちは仕事中で、会議前で、急いでるのに、画面だけが一方的に沈黙する。結論から言うと、ほとんどは故障じゃない。モニターが「映像信号が来てないよ」と省電力に入っているだけで、原因はだいたい“入力の食い違い”か“復帰の相性”か“電源管理のやりすぎ”に寄る。だから当てずっぽうで再起動を繰り返すより、順番に切り分けた方が早い。
まず最初に考えるのは、PCが落ちているのか、映像だけが落ちているのか。ここを間違えると時間が溶ける。自分がよくやるのは、キーボードのNumLockを押して反応を見ること。反応があるなら、OSは生きている可能性が高い。通知音やファンの回転も確認して、PC側が動いてそうなら「映像経路」へ集中する。
いちばん効くのは、設定を触る前に“物理”を潰すことだ。モニターの入力がオートになっていると、稀に外れる。複数入力を使っていたり、KVMを挟んでいたりすると特に起こる。まずOSDで入力を手動にして、HDMIなのかDisplayPortなのかを明示的に合わせる。これで戻るなら、原因はかなり絞れる。
それでもダメなら、ケーブルの抜き差し。ここでポイントがあって、同じ端子に戻すより、別ポートへ移した方が復帰することがある。DisplayPortはスリープ復帰で相性が出やすいので、ケーブルを疑う価値が高い。もしケーブルが古かったり、ブランド不明だったりしたら、次の再発を止める意味でも、最初から品質の良いものに寄せた方が精神衛生にいい。自分は復帰トラブルが続いた時に、思い切ってVESA認証 DisplayPortケーブル 1.4へ替えたら、体感で「朝一の真っ暗」が減った。原因が全部これだったとは言わないけど、ケーブル品質がボトルネックだったのは間違いない。
DisplayPort周りでもう一つ厄介なのが「20番ピン」問題。状況によっては給電絡みで挙動が不安定になる話が出るので、気持ち悪い挙動が続くならDisplayPort 20番ピン 無結線(pin20なし)ケーブルで検索して選択肢に入れておくと安心材料になる。こういうのは「今すぐ直す」より「再発を減らす」寄りの投資だ。
次にやるのが、モニターの放電。電源ボタンを押すだけじゃなく、電源ケーブルを抜いて30秒ほど待つ。これ、地味だけど効く。OSDの状態が微妙に固まっている時にスッと戻る。毎回裏でコンセントを抜くのが面倒なら、机の下に手を突っ込まなくても済むように電源タップ 個別スイッチ付きを噛ませておくと、復帰作業が“腕一本”で済むようになる。放電は応急処置だけど、復帰確認のテンポが上がるだけでだいぶ楽になる。
ここまでやっても真っ暗なままなら、切り分けのために「別の機器をつなぐ」。ノートPCでもゲーム機でもいい。別機器で映るならモニターは生きている。つまりPC側か、ケーブルか、相性。逆に別機器でも映らないなら、モニター側(入力基板や電源)の疑いが濃くなる。判断がつくと、ムダな設定いじりが減る。
PC側に寄せて考えるなら、Windowsの電源設定も見直す。スリープや画面オフのタイミングが強すぎると、復帰時に映像が戻らず、結果としてモニターが省電力に落ちることがある。ここでのコツは、いきなり全部を無効にしないこと。まずは「画面オフ」「スリープ」を少し長めにして、症状が消えるか確認する。ノートPCは「バッテリー」と「電源接続」で別設定になっているので両方見る。これで改善したら、犯人は“省電力のやりすぎ”側だったと判断できる。
モニター側にも、省電力の深さを変える設定がある機種がある。Deep Sleepに近い項目がONだと、復帰時の握手でつまずきやすい。DellやASUSなどは機種によってOSDに電源関連の設定が入っているので、思い当たるならそこも見直す。ここはメーカーや機種差が大きいので、当てはまる人だけでOK。逆に言うと、ここを触る前に、入力切替とケーブルをやる方が筋がいい。
それでも「特定の環境でだけ」起こるなら、KVMや切替器が絡んでいる可能性が出てくる。切替時にEDIDが途切れると、PC側が“ディスプレイがいなくなった”扱いをして、省電力に落ちたり配置が崩れたりする。こういう運用なら、EDIDを保持できる道具が効くことがある。例えば、単純にディスプレイを見失わせたくない時はHDMI EDIDエミュレーター(EDID保持器)やDisplayPort EDIDエミュレーターを候補にする。常時接続扱いにしたいだけなら、HDMI ダミープラグやDisplayPort ダミープラグがハマることもある。いきなり買う必要はないけど、「切替器を使ってて、復帰だけが不安定」みたいな人には刺さりやすい。
切替器そのものを見直すなら、DP環境ならDisplayPort 切替器(DPスイッチ)、HDMIならHDMI 切替器(HDMIスイッチ)で、EDID保持や解像度対応を軸に選ぶのが現実的だ。キーボードとマウスも含めてまとめたいなら、最初からKVMスイッチ DisplayPort EDIDエミュレーションで探して、レビューで“スリープ復帰”の言及があるかを見ておくと失敗が減る。
電源側の話も少し。瞬断や電圧の揺れでモニターが落ちる環境だと、復帰のたびに省電力に入って見えることがある。頻繁に起きるなら、対策としてUPS(無停電電源装置) 小型を検討してもいい。これは“治す”というより“守る”道具で、在宅で回線機器と一緒に守りたい人がついでに入れる感じが近い。
最後に、ケーブルの変換を多用している人向け。USB-C出力のノートPCでドックや変換を挟んでいると、相性で復帰が不安定になることがある。直結で試して挙動が安定するなら、変換側が原因に寄る。USB-CでDPへ行くならUSB-C to DisplayPort(DP Alt Mode)ケーブル、HDMIへ行くならUSB-C to HDMI 変換アダプタ(4K60)を候補にして、まずは“直結で戻るか”を試すのが近道だ。DPからHDMIへ変換が必要なら、安いパッシブで詰まることもあるのでDisplayPort to HDMI アクティブ変換アダプタで探しておくとハズしにくい。
パワーセービング表示は、原因が一つに決め打ちできないのが厄介。でも逆に言うと、順番を守れば必ず絞れる。入力を合わせ、ケーブルを疑い、放電し、別機器で確認してから設定へ。ここまでやれば「今日だけの運」じゃなく、再発しにくい形に持っていける。焦っている時ほど、落ち着いて“物理→設定”でいくのが結局いちばん早い。


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