病院の「モニター」は大きく2種類に分かれる。断定すると、ベッドの横でピコピコ鳴っているのは患者監視モニターで、レントゲンやCTの画像を厳密に見るのは医用画像表示モニターだ。理由はシンプルで、求められる役割が真逆だから。前者は“異常にすぐ気づく”、後者は“階調を崩さず見分ける”。ここを混ぜると、買う段階で迷子になる。
まず患者監視モニター。病室やICUで使ういわゆるベッドサイドモニタは、心電図・SpO2・血圧などを連続で見続ける機器で、アラームと視認性が命になる。たとえば日本光電のライフスコープ G7(CSM-1701)やライフスコープ G5(CSM-1501)、携帯性や病棟運用の文脈で語られがちなライフスコープ PT(BSM-1700 / BSM-1773)のように、同じ監視でも“置き方・持ち方・運び方”が違ってくる。
現場でいちばん起きやすい失敗は「スペックで選んだのに運用が回らない」こと。断定していい。理由は、夜勤でアラームが鳴るたびに誰が対応するか、患者の状態に合わせて閾値をどう揃えるか、そこまで決めていないと機械が優秀でも混乱するからだ。補足すると、鳴りっぱなしは逆に危ない。耳が慣れてしまうし、必要なアラームが埋もれる。導入時は、アラーム方針(音量・優先度・止める権限)を“紙で残す”ところまでセットにしておくと楽になる。
同じ患者監視でも、ブランドやラインで現場の感触が変わる。たとえばPhilipsのIntelliVue MX750は高機能なベッドサイドの代表格として名前が挙がりやすいし、もう少しコンパクトに寄せたいならIntelliVue MX400を検討する流れになりやすい。GEならCARESCAPE B450が候補に出ることが多いし、DrägerのInfinity Deltaや、MindrayのBeneVision N12のように、運用文化や既存システムとの相性で選ばれるケースもある。ここは「うちの病院、いま何を使ってる?」が出発点になる。アクセサリや消耗品の流用が効くと、コストよりストレスが減る。
次に医用画像表示モニター。これは“高精細であればOK”ではない。断定すると、読影や参照に使うなら階調管理と品質管理が要になる。理由は、同じ画像でも表示の癖で見え方が変わり、数年後にズレが出るから。補足として、ここでよく名前が出るのがEIZOのRadiForce。たとえばRadiForce RX370DDや、上位モデルの話題になりやすいRadiForce RX1270DDは、医療向けの表示品質や管理の文脈で検討されやすい。BarcoならCoronis Uniti(MDMC-12133)や、用途に応じてNio Color 3MP系が候補に上がる。読影室の照明や、画面の映り込みまで含めて整えると、モニターの良さがちゃんと出る。
一方で、ナースステーションや電子カルテ中心の業務には“医用画像の読影グレード”が過剰なこともある。断定すると、ここは汎用ディスプレイで運用が安定することが多い。理由は、文字の見やすさ・接続性・省スペースが勝つ場面が多いから。補足として、たとえばEIZOのFlexScan EV2785みたいに、長時間の事務作業で疲れにくい方向の選び方が現実的になる。DellならUltraSharp U2723QEのように、接続周りをまとめやすいモデルが候補になりやすい。読影と混ぜない、それだけで買い物が一気に簡単になる。
導入の順番も決め打ちでいい。「用途を確定」→「必要条件(何を表示するか/誰が使うか)」→「運用(点検・清拭・交換)」→「予算」の順。これを逆にすると、あとから“使いにくさ”が浮いてくる。たとえば患者監視なら、配線が動線を邪魔しない位置、清拭しやすい形、アラーム設定を引き継げる仕組みが先。医用画像なら、キャリブレーションや品質管理の回し方を決めてから機種選定に入るほうがブレない。
最後に、患者さん側の目線も少し。病室のモニターが鳴ると不安になるけれど、あれは“異常を早く拾うために敏感に作られている”ことが多い。数字が上下しても、すぐ危険とは限らない。気になるときは「いま鳴った理由だけ教えてください」と聞くのがいちばん早い。モニターは怖い機械じゃない。うまく運用できると、医療者も患者さんも落ち着く道具になる。


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