壁付けのモニターアームって、やってみると体感が想像以上に大きい。机の奥がまるごと空くし、掃除のハードルが一段落ちる。姿勢も「画面をのぞき込む」感じが消えて、肩が軽くなる。だからこそ最初に断言しておくと、壁付けは快適だけど、雑に付けると痛い目を見る。ポイントは3つだけ。下地、VESA、耐荷重。ここを外さない。
ぼくが最初にやらかしたのは「とりあえず壁に付けば勝ち」みたいなノリだった。設置直後は完璧に見えるのに、数日使っているとじわじわグラつく。モニターを手前に引いた瞬間に、壁の中で何かが鳴る。あの嫌な感じ、もう二度と味わいたくない。壁付けは“固定”じゃなくて、毎日動かすことで壁に負担をかけ続ける仕組みだ。だから準備の質がそのまま安全性になる。
壁付けモニターアームは「固定タイプ」と「可動タイプ」で別物
壁付けアームには大きく2種類ある。画面位置をあまり動かさない人は固定寄りのタイプでも十分。逆に、作業・動画・ゲームで画面を寄せたり逃がしたりするなら、可動アームの快適さは一度知ると戻れない。ただし可動は、壁への負担が増える。ここを理解しておくと選び方がブレない。
しっかりした可動アームの代表格としてよく名前が挙がるのが、エルゴトロン LX ウォールマウントアームみたいな定番。価格は強めだけど、動かしたときの安心感が違う。もう少し手頃で試したいなら、NB NORTH BAYOU F150-B 壁掛け モニターアームのような選択肢もある。どちらにせよ、最後に効いてくるのはスペックより設置条件だ。
購入前のチェック:VESAとネジで止まらないようにする
壁付けで詰みがちなのがVESA。モニター裏のネジ穴の間隔がVESA規格で、一般的に多いのは75mmと100mm。ここが合わないと、アームを買っても取り付けできない。作業当日に「え、穴合わないんだけど…」となるのは悲しいので、先にモニター背面を見ておく。
さらに地味に困るのがネジ。VESAまわりはM4が多いけれど、長さはモニター側の座面やアーム金具の厚みで変わる。付属ネジで合わないことも普通にある。心配なら、最初から VESA ネジ M4 セットを用意しておくと、当日のストレスが激減する。こういう小物で作業がスムーズになるの、体感でわかる。
もしモニター側のVESAが特殊だったり、金具が干渉するなら、サンワサプライ VESA変換金具 CR-LAVESA200のような変換金具が助けになることがある。困ったときに“逃げ道がある”だけで、壁付けの心理的ハードルは下がる。
いちばん大事:壁は「石膏ボードに直止めしない」
ここが結論。石膏ボードの壁に、そのまま壁付けアームを付けるのは危険。軽い固定金具ですら怖いのに、可動アームはさらに“てこ”が乗る。モニターを手前に引くたび、壁の内部で引っ張り力が増える。最初は耐えても、繰り返すうちに緩む。落ちたらモニターも床も終わる。
だから必要なのが下地。木の柱(間柱)や補強材が入っている位置に固定する。下地探しは、当てずっぽうでやるより道具に頼ったほうが早い。ぼくは最初、ノックして音で判断しようとして迷子になった。あれは時間が溶ける。いまはタジマ 下地キャッチ 35mm PW-SC35みたいな下地センサーで、まず当たりを付けてから決めるようにしている。別の定番としてシンワ測定 下地探し どこ太 Proもよく見かける。下地が見つかるだけで、設置の成功率が跳ね上がる。
もし下地が狙った位置にない場合、選択肢は「位置をずらす」か「補強する」。補強の考え方でよく使われるのが補強板。壁の下地に板を固定して、そこにアームを付けるやり方だ。机用の補強プレートはそのまま壁に使うものじゃないけど、補強という発想は同じで、壁が負けるのを防ぐ。補強系アイテムとして机まわりで出番が多いのはサンワサプライ モニターアーム補強プレート CR-LAPLT1BKみたいな製品。壁付けでも「負荷を分散する」という視点は強い味方になる。
下地がないところにどうしても付けたい、という人もいる。その場合は壁材に合ったアンカー類が候補になる。ただ、ここは過信がいちばん危ない。石膏ボード用として検索されやすいのが石膏ボード アンカー トグルボルトみたいなカテゴリだけど、モニターアームは「重さ」だけでなく「動かす」ことで力が増える。賃貸で穴を増やしたくないなら、そもそも壁付けにこだわらず、机クランプのアームやスタンドに逃げるのも現実的だ。無理に通すより、長く使えるほうが勝ち。
実際の設置手順:測って、仮置きして、最後に締める
設置は勢いでやらないほうがうまくいく。流れはシンプル。
まず位置決め。椅子にいつも通り座って、目線の高さを基準にする。ここで「ちょい上」に置きたくなるんだけど、上げすぎると首が死ぬ。迷ったら気持ち低めが正解だった。次にアームの壁金具を当てて、モニター中心がどこに来るかを仮でイメージする。可動アームなら、手前に引いたときに机の端に当たらないかも見ておく。
固定は、下穴を開けてから。いきなりネジをねじ込むと壁が割れたり、位置がズレたりする。固定したら、最初は軽く締めて、水平を見ながら少しずつ追い込む。締めすぎも良くない。壁側が負ける。緩すぎはもっとダメで、動かすたびにネジが育っていく。ここは丁寧にやると後がラクになる。
モニターを掛けたあとは、テンション調整。画面が勝手に下がるなら荷重不足かテンション不足、逆に上に跳ねるならテンション過多。調整ネジを少しずつ回して、ちょうどいい位置で止まるところを探す。ここ、最初に決まると気持ちいい。
配線で完成度が決まる:動かしても突っ張らない余裕を作る
壁付けで見落としがちなのが配線。モニターを動かした瞬間にケーブルが突っ張って、端子を痛める。対策は単純で、余裕長を作って固定する。ぐちゃぐちゃが気になるなら、壁沿いに配線を逃がせるエレコム 配線モールがあると一気に見た目が整う。アームに沿わせる部分は、結束バンド 黒で軽くまとめるだけでも十分。強く締めるとケーブルが潰れるので、そこだけは優しく。
どれを選べばいい?迷ったら「壁条件→耐荷重→可動域」で決める
最後に選び方をまとめる。最初に見るのは壁の条件。下地に固定できるなら可動アームの快適さを取りにいっていい。定番の安心感を重視するならエルゴトロン LX ウォールマウントアームが候補になるし、まず試してみたいならNB NORTH BAYOU F150-B 壁掛け モニターアームも検討しやすい。壁面固定を前提にした商品を探すなら、サンワダイレクト 100-LA014 モニターアーム 壁面固定やサンワダイレクト 100-LA015 モニターアーム 壁面固定のように“壁面”で検索して当たりを付けると見つけやすい。
壁付けの気持ちよさは、机が広がるだけじゃなく、作業のテンポが上がるところにある。だけど安全性だけは妥協しないほうがいい。下地を探し、VESAを確認し、耐荷重に余裕を持つ。そこまでやれば、壁付けは「やってよかった」の代表格になる。


コメント