モニターは「インチ」と「解像度」だけで決めると、だいたい後悔します。理由は単純で、仕事で文章を読むのか、写真の色を見るのか、ゲームで動きを追うのかで、正解がまるで違うから。僕も最初はサイズだけで選んで、画面は大きいのに目が疲れる、机が窮屈、端子が足りない、の三重苦に落ちた経験があります。そこから買い替えを重ねて分かったのは、モニター選びは「用途」と「置き方」で8割決まるということ。今日はこの順番で、一気に迷いを減らします。
まずは用途を3つに分ける。仕事・学習、制作、ゲーム
いきなり製品比較に入る前に、使い方を3つに切ります。仕事・学習なら、文字の読みやすさと疲れにくさ、配線のラクさが効きます。制作なら色の扱いが主役。ゲームなら動きと遅延が主役。ここを曖昧にしたまま買うと「全部そこそこ」で、結局どれも満足しない。
仕事や学習の比率が高いなら、USB-CでノートPCと相性がいいモデルが候補になりやすいです。たとえば、机の上をすっきりさせたいならDell UltraSharp U2723QEのような“USB-Cハブ寄り”の発想が刺さります。逆に価格を抑えつつ4Kで整えたいならDell S2722QCのような方向も現実的。ここで大事なのは「高いから正解」ではなく、「普段のつなぎ方がラクになるか」で選ぶことです。
サイズと解像度はセット。さらに作業距離もセット
失敗の典型が「とりあえず27インチ」「とりあえず4K」。実際は、サイズが同じでも解像度で文字の見え方が変わります。4Kは広く使える反面、文字が小さくなりやすく、拡大率(スケーリング)前提の運用になります。これが合う人には最高なんですが、合わない人にはずっと目がしんどい。僕は最初、4Kの情報量に惚れて導入したのに、結局スケールを上げて「広さ」のメリットを自分で削ったことがあります。ここでのコツは、理想の画面の広さより、毎日何時間それを見続けるかを優先すること。
パネルは好みじゃなく、向き不向きで選ぶ
IPS、VA、OLEDなど、パネルの話は沼になりがちですが、結局は向き不向きです。たとえば、仕事で資料を見たり、家族と画面を共有したり、制作で色を確認したいなら、視野角が広い傾向のIPSが扱いやすい。一方、暗い部屋で映画やゲームが多いなら、コントラストが出やすいVAが気持ちいい場面もあります。ここを「どっちが上」ではなく「自分の部屋でどっちが得か」で決めるとブレません。
ゲーム用途なら、WQHD高Hzが“ちょうどいい”ことが多い
FPSやアクションをやるなら、リフレッシュレートの体感差は出やすいです。ただ、数字を追いかけるほどコストも上がるので、まずは“日常的に恩恵を感じるライン”を狙うのが現実的。ここで出番が多いのがWQHD(1440p)帯。解像度とフレームレートのバランスが取りやすく、選択肢も多いです。
たとえば、同じ「WQHD高Hz」でも方向性が少し違います。映像と音も含めてまとめたいならBenQ MOBIUZ EX2710Qのような“ゲームを気持ちよく見せる”系が合う人もいるし、別モデルを検討するならBenQ MOBIUZ EX271Qも候補に入ります。もう少し王道のゲーミング路線で堅実に行くならASUS TUF Gaming VG27AQのような定番も残ります。ここは「自分のPCやゲーム機がそのHzを出せるか」「VRR(可変リフレッシュ)を活かせるか」までセットで考えると、買ってからのズレが減ります。
制作なら「色」と「反射」を甘く見ない
写真・動画・デザイン寄りなら、色域や表示の安定感が重要です。ただし、スペックにだけ寄ると、意外と見落とすのが映り込み。部屋の照明や窓の位置で、同じモニターでも別物になります。制作向けで候補に挙がりやすいのは、たとえば5Kで作業領域を確保したい人向けにBenQ PD2730S、大型で没入感も欲しいならBenQ PD3226Gのような方向。Mac中心で統一感まで欲しい人はApple Studio Displayに行き着くケースもあります。ここは“趣味の制作”か“仕事の制作”かで、求める厳密さが変わるのも正直なところです。
ウルトラワイドは「広い」より「使い方がハマる」が先
ウルトラワイドは一度ハマると戻れない人がいます。僕もそのタイプで、資料とブラウザとチャットを横に並べて、画面切り替えが減る快適さに驚きました。ただし、机の奥行きが足りないと、顔が近くなって首が死にます。ここは購入前に、置いたときの距離感を想像するのが必須。
候補としては、コスパ寄りで曲面に惹かれるならLG 34WP65C-B、ゲームも絡めるならDell S3422DWGのような路線が出てきます。さらに作業環境を一気に格上げしたい人はDell UltraSharp U4025QWのような“でかい・広い・強い”系に目が行きます。ここは背伸びしすぎないのがコツで、広さを活かす作業が多い人ほど満足度が上がります。
端子で詰む人は本当に多い。ケーブルまで含めて選ぶ
性能が良くても、つなぎ方で損をします。たとえば、解像度とHzを欲張ったのに、ケーブルが対応していなくて設定が出ない、というのはよくある話。ここは「モニター本体+ケーブル」でワンセットです。
ゲーム機やPCでHDMI 2.1が必要になりそうなら、最初からHDMI 2.1 ウルトラハイスピードケーブル 2mのような検索で当たりを付けておくと安心。PCでDisplayPortを使うならDisplayPort 1.4 ケーブル 2mが基本になります。ノートPCをUSB-C一本で回したいならUSB-C to USB-C 100W(PD)ケーブル 2mが現実的な選択肢。もう少し帯域や安定性を意識するならThunderbolt 4 ケーブル 0.8mまで見ておくと、後で悩みにくいです。
スタンドとアームは“快適さ”の核心。軽視すると戻れない
モニターの画質は慣れることがあります。でも、姿勢が崩れる不快感は毎日積み上がっていきます。高さ調整ができないスタンドで頑張った時期があるんですが、結局、肩こりが勝ちました。そこからモニターアームに変えて、初めて「画面の位置が正しい」状態を知った感じです。
机の自由度を上げたいならErgotron LX モニターアームのような定番を知っておくと、記事としても説得力が出ます。さらにデスク照明まで整えると、夜の作業が一気にラクになります。たとえばBenQ ScreenBar Haloは、机の上を広く保ちながら手元を明るくできるので、環境づくりの章で自然に登場させやすいアイテムです。
制作派ならキャリブレーターも“沼の入口”として紹介できる
色を真面目に扱うなら、最終的にキャリブレーションが視野に入ります。趣味レベルでも「画面の色が合ってない気がする」と感じ始めたら、道具で詰める余地が出てくる。候補としてはX-Rite i1Display Proのような検索でたどり着く人が多いです。ここは記事内では“必須”とは言い切らず、「こだわりたい人の次の一手」として置くと読者に嫌がられにくい。
購入前の最終チェック:この10項目だけ確認する
最後に、買う前の確認を短くまとめます。用途、机の奥行きと作業距離、サイズと解像度の組み合わせ、パネルの向き不向き、必要なHzとVRR、端子(HDMI/DP/USB-C)、ケーブルの規格、スタンド調整、VESA対応、映り込みの環境。これを押さえると「勢いで買ってから直す」パターンが減ります。
モニターは一度決めると、毎日の作業の気分を底上げしてくれます。スペックの強さより、あなたの使い方に素直な一台を選ぶ。そのほうが、結局いちばん満足します。


コメント