IPSモニターを探している人の多くは、「色がきれいって聞くけど、結局どれを買えばいいの?」に行き着く。結論はシンプルで、IPSは“角度で色が崩れにくい”のが最大の武器。ただし暗い画面の黒は得意じゃない。ここを分かった上で選ぶと、買ってからのモヤモヤが減る。
IPSモニターって何がうれしい?
IPS(In-Plane Switching)は、斜めから見ても色や明るさの変化が少ないタイプ。姿勢を変えたり、椅子を回したり、横から覗き込んだりしても表示が安定しやすい。文章作業や表計算、Web会議みたいに“長時間見続ける用途”と相性がいい。
たとえば仕事用で定番にしやすいのが、USB-C周りも整っていて机が散らかりにくいDell UltraSharp U2723QE。少し前の名機枠として名前が残りやすいDell UltraSharp U2720Qも、4K+作業向けで探す人が多い。
先に知っておきたい弱点:黒浮きと“白っぽさ”
IPSでハマりやすいのは暗部。黒背景を出すと、黒が締まらず少しグレー寄りに感じることがある。さらに暗い部屋だと、端がうっすら白く見える現象(いわゆるIPSグローやバックライト漏れ)が気になりやすい。これは不良というより“設計上起きやすい傾向+個体差”の領域で、ゼロを求めるほどしんどくなる。
映画や夜の暗室視聴が中心なら、IPSだけに絞らず別方式も検討したほうがラクな場合がある。逆に日中の部屋や照明のある環境なら、弱点はかなり目立ちにくい。
IPS・VA・TNの違いを一言で
迷ったら、この3行だけ押さえる。
- IPS:色と視野角が安定、万能寄り
- VA:黒が深く出やすい、暗部重視向き
- TN:応答や価格で強みが出やすい、用途が刺されば強い
「色の安心感」を優先したいならIPSが自然な第一候補になる。
失敗しないIPSモニターの選び方(チェックは5つ)
ここが本題。IPSを買うなら、スペックの“見落としやすい順”に潰す。
1)用途を決める:仕事/制作/ゲーム
仕事中心なら、文字の見やすさと接続の手間が減る構成がありがたい。たとえば27インチ4KでUSB-Cを重視するならLG 27UP850-Wのような方向が候補に入りやすい。コスパ寄りにまとめたいなら Dell S2722QCも探されがちだ。
制作(写真・動画・イラスト)なら、パネル方式だけでなく色域や初期の色合わせが重要になってくる。定番ラインとしてはBenQ PD2705Qや4K寄りのBenQ PD2725Uを起点に考える人が多い。もう少し“色の管理をしやすい設計”で探すならASUS ProArt PA278CVやASUS ProArt PA279CVも候補になる。
ゲーム中心なら、IPSの中でも高速系を狙う。いわゆるNano IPSやRapid/ Fast系で選ぶと、残像感の不満が出にくい。たとえば定番どころならLG UltraGear 27GP850-B、似た方向で新しめの候補としてLG UltraGear 27GS85Q-Bが検索に上がりやすい。別メーカーで攻めるならMSI MAG274QRF-QDや、バランス型のGIGABYTE M27Qも話題に出やすい。
2)サイズと解像度:迷ったら27インチが基準
24〜27インチは机の圧迫感と作業性の落としどころになりやすい。4Kは文字が細かくなるので、表示倍率を前提に考えるのが現実的。WQHDは作業もゲームも両立しやすく、迷子になりにくい。
3)コントラストと“黒の見え方”:暗い部屋かどうかで決まる
夜に照明を落として使うなら、黒浮き耐性があるかを意識したい。店頭で確認できない場合は、購入後すぐに黒背景で四隅の白っぽさをチェックして、気になるなら早めに判断するのがコツ。
4)端子と給電:USB-Cは便利だけど仕様差がある
ノートPCと一本で繋ぎたいならUSB-C(映像+給電)対応は強い。ただし給電W数やハブ機能は製品で差が出る。ここを雑にすると、結局ドックを買い足す羽目になる。
5)スタンドの可動域:地味に満足度を左右する
高さ調整・回転・チルトが揃うと、姿勢がラクになる。見落としがちだけど、長く使うほど効いてくる。
買ってすぐやる“3分テスト”(後悔を減らす)
届いたら早めにこれだけ見る。難しい設定はいらない。
- 白背景を全画面表示して、色ムラや黄ばみが気にならないか見る
- 黒背景を暗めの部屋で表示して、端の白っぽさが許容範囲か確認する
- ブラウザのスクロールや横移動する映像で、残像感がストレスにならないか試す
ここで「うーん」と思ったら、設定で粘りすぎないほうが気持ちがラク。返品条件や保証も含めて“購入先のルール”で動いたほうが早い。
具体的にどのブランドを見ればいい?
予算を抑えつつIPSの良さをつまみ食いするなら、まずは定番の中から探したほうが外しにくい。国内で探しやすい系ならI-O DATA GigaCrysta(IPS)も候補に上がる。手頃さで攻めるならJAPANNEXT JN-I27UR2 IPSのような探し方もあるし、最近は Xiaomi A27Uiみたいな新顔を指名買いする人も増えてきた。色の管理を意識した流れならViewSonic VP2768aが候補に入ることもある。
「長く使う前提で、目の疲れや姿勢も含めて投資したい」なら、堅実に攻める選択肢としてEIZO FlexScan EV2795を見に行く人もいる。価格差はあるけど、仕事道具として割り切ると納得しやすいタイプだ。
まとめ:IPSは万能、ただし暗部だけ注意
IPSモニターは、色の安定と視野角の広さで選ぶ価値がある。仕事や制作で「画面の角度で色が変わるのが嫌」と感じた瞬間、IPSの良さが刺さる。一方で黒浮きや端の白っぽさはゼロにしにくいので、暗室中心かどうかだけ先に決めておく。それだけで選びやすさが一段上がる。


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