ソニーの動画撮影で「なんとなく色が決まらない」「あとで編集すると画が崩れる」と感じるなら、原因はレンズでも照明でもなく“ピクチャープロファイル(PP)の選び方”かもしれません。PPは単なる色味プリセットではなく、階調(ガンマ)・色域・コントラスト・肌の見え方までをまとめて設計する機能です。ここを理解できると、撮って出しの完成度も、グレーディングの伸びしろも一段階上がります。
この記事では、S-Log3・S-Cinetone・HLGの使い分けを軸に、実戦で迷わない考え方と、記事内で登場する“買われやすい周辺機材”まで一気に整理します。主観多めに言うと、PPは「正解探し」を始めた瞬間に沼へ落ちるので、用途別に勝ち筋を固定するのが最短ルートです。
- ピクチャープロファイル(PP)で変わるのは“色”ではなく“素材の強さ”
- 迷ったらこの3択でOK:S-Cinetone/S-Log3/HLG
- 失敗を減らすコツは“設定”より“運用”にある
- 目的別おすすめ:あなたが選ぶべきPPはこれ
- ここからが本題:PP運用で“一緒に買われる”鉄板アイテム
- おすすめカメラ本体(PPを活かしやすい定番)
- “色の空気感”を決めるレンズ(PPの味が一番出る)
- Log運用の必需品:NDフィルター(ここをケチると破綻しやすい)
- 外部モニター/レコーダー(波形とLUT確認で失敗率が下がる)
- 色合わせに効く:カラーチャート/グレーカード(真面目にやるほど差が出る)
- 音も一緒に整えると“それっぽさ”が跳ねる(ソニー系マイク)
- ライトは“色の説得力”を作る(PPが映える照明)
- 撮影を快適にするリグ・ジンバル(安定は最大の画質)
- 仕上げの定番:編集・グレーディング環境(PPの価値を最後まで出す)
- PP別:個人的おすすめ運用テンプレ(そのまま真似して動く)
- まとめ:PPは“用途固定”が一番強い
ピクチャープロファイル(PP)で変わるのは“色”ではなく“素材の強さ”
PPを切り替えると、見た目の雰囲気が変わるのは当然として、もっと大きいのは素材としての耐久性です。
例えばS-Log3は眠い映像になりますが、編集で持ち上げても階調が残りやすい方向へ振れます。一方で、撮影が雑だとノイズや色ムラが露骨に出るタイプでもあります。だからこそ、どのPPを選ぶかは「撮影現場の条件」と「納品のスピード」で判断したほうが勝てます。
迷ったらこの3択でOK:S-Cinetone/S-Log3/HLG
ここはシンプルに決め打ちします。
撮って出しで速攻仕上げたいなら:S-Cinetone(PP11)
人物・インタビュー・Vlogで最強クラスです。肌が破綻しにくく、コントラストも作りすぎないので、編集を軽くするほど旨味が増えます。
作品づくりで色を追い込みたいなら:S-Log3(PP8中心)
MV、短編、商品PVなど“あとで作り込む前提”の撮影ならこれが本命です。扱いは難しめですが、丁寧に撮れた素材の伸びは気持ちいいほど出ます。
屋外・逆光・明暗差がキツいなら:HLG(PP10)
Logほど重くなく、撮影の成功率が高いのがHLGです。旅行やイベント記録で「撮り直し不可」な場面に強く、現場で安心感があります。
失敗を減らすコツは“設定”より“運用”にある
PPの話は項目が多いですが、正直いきなり数値を詰める必要はありません。まずは運用で勝てる型を作るほうが早いです。
- 露出は「ハイライトを守る」意識で組む
- ホワイトバランスは固定して、色温度で微調整する
- シャッタースピードを守るならNDフィルターを迷わず入れる
- どうしても不安なら外部モニターで波形やZebraを見る
この4つを徹底するだけで、PPの難易度は体感で半分になります。
目的別おすすめ:あなたが選ぶべきPPはこれ
1)YouTube・レビュー・日常Vlog(編集を短くしたい)
「見栄えは欲しいけど、毎回カラーに時間をかけたくない」ならS-Cinetoneが強いです。顔が自然に見えやすく、商品紹介でも色が暴れにくいのが助かります。
2)企業案件・インタビュー(肌を綺麗に、納期は早く)
時間がない案件ほど“破綻しない素材”が正義です。撮って出し耐性が高いPPを軸に、必要なら軽い補正だけで仕上げる方が結果的に安定します。
3)作品撮り・MV・シネマ風(色で魅せたい)
S-Log3で撮って、LUTを当てて、そこから詰める。この流れが作れると勝ちです。やることは増えますが、世界観のコントロールが一気に楽しくなります。
4)旅行・屋外イベント(失敗しないのが最優先)
HLGは派手に当たるというより、地味に強いタイプです。白飛び黒つぶれを抑えやすく、持ち帰った素材がそのまま使えることが多いのが魅力です。
ここからが本題:PP運用で“一緒に買われる”鉄板アイテム
ピクチャープロファイルの記事は、カメラ本体だけだと弱く見えがちです。実際には、レンズ・ND・モニター・マイク・ライトが絡んだ瞬間に読者の購入導線が太くなります。ここでは、PPと相性が良くて語りやすい製品をまとめて紹介します。
おすすめカメラ本体(PPを活かしやすい定番)
- SONY FX3(ILME-FX3)
- SONY FX30(ILME-FX30)
- SONY FX6(ILME-FX6V)
- SONY FX9(ILME-FX9)
- SONY α7S III(ILCE-7SM3)
- SONY α7 IV(ILCE-7M4)
- SONY α7R V(ILCE-7RM5)
- SONY α6700(ILCE-6700)
- SONY ZV-E1
- SONY ZV-E10
この中で個人的にPP運用が気持ちいいのは、暗所と階調が強い機種、あるいはCine系の設計が素直なモデルです。逆に、撮って出し最優先ならコンパクトなVlog系でも十分戦えます。
“色の空気感”を決めるレンズ(PPの味が一番出る)
- SONY FE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)
- SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II(SEL70200GM2)
- SONY FE 16-35mm F2.8 GM II(SEL1635GM2)
- SONY FE 35mm F1.4 GM(SEL35F14GM)
- SONY FE 50mm F1.2 GM(SEL50F12GM)
- SONY FE 85mm F1.4 GM(SEL85F14GM)
- SONY FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)
- SONY FE 24mm F1.4 GM(SEL24F14GM)
- SONY FE 40mm F2.5 G(SEL40F25G)
PPはカメラ側の話に見えて、実は“レンズのコントラストと抜け”で完成形が決まる場面が多いです。肌を綺麗に見せたいなら中望遠寄り、背景を作りたいなら明るい単焦点が気持ちよくハマります。
Log運用の必需品:NDフィルター(ここをケチると破綻しやすい)
S-Log3は特に、シャッター速度を守りつつ適正露出へ持っていく発想が重要になります。NDがあると撮影が落ち着き、素材が“編集に耐える顔つき”になってくれます。
外部モニター/レコーダー(波形とLUT確認で失敗率が下がる)
- Atomos Ninja
- Atomos Ninja V
- Atomos Ninja V+
- Atomos Shinobi
- Blackmagic Video Assist 12G HDR
- Portkeys カメラモニター
- FEELWORLD カメラモニター
「Logは難しい」と言われる理由の半分は、現場で仕上がりが想像しにくいことにあります。外部モニターで波形を見て、必要ならLUTを当てて確認できると、一気に不安が減っていきます。
色合わせに効く:カラーチャート/グレーカード(真面目にやるほど差が出る)
複数台撮影や、ロケで色温度がズレやすい現場ほど威力を発揮します。地味ですが、これがあると編集の“面倒な差分調整”が露骨に減ります。
音も一緒に整えると“それっぽさ”が跳ねる(ソニー系マイク)
PPで映像が良くなると、次に目立つのは音です。映像だけ映画っぽくて、声がスマホ品質だと没入感が崩れます。ワイヤレスかショットガンかを決めるだけでも、完成度が一段変わります。
ライトは“色の説得力”を作る(PPが映える照明)
S-Cinetoneで肌を綺麗にしたいなら、柔らかい光を作るのが正解です。S-Log3で追い込みたいなら、照明を組めるほど素材の価値が上がります。
撮影を快適にするリグ・ジンバル(安定は最大の画質)
PP以前に、手ブレで全部台無しになるケースは想像以上に多いです。ジンバル運用がハマると、同じ機材でもワンランク上の画に見えてきます。
仕上げの定番:編集・グレーディング環境(PPの価値を最後まで出す)
S-Log3を使うなら、最終的に“編集環境”が勝負になります。カラーホイールを触る回数が多いほど、操作性の差が制作体験に直撃します。
PP別:個人的おすすめ運用テンプレ(そのまま真似して動く)
S-Cinetone運用(撮って出し最強ルート)
- 撮影後の編集は「軽いコントラスト調整+彩度の微調整」程度で締める
- 肌のハイライトを飛ばさないことだけ最優先にする
- ホワイトバランスは固定して暴れを止める
この型にすると、とにかく納品が速くなります。
S-Log3運用(作品づくりの本命ルート)
- 露出は暗く撮りすぎない
- LUT前提でワークフローを組んで時短する
- 迷ったら外部モニターで波形を確認する
素材が綺麗に撮れた日の気持ちよさは格別です。
HLG運用(屋外での安定ルート)
- 逆光でも粘る前提で守りの露出にする
- WB固定で肌の転びを抑える
- 撮って出しでも使えるように撮影時点で完成を意識する
旅動画やイベント記録で頼れる相棒になります。
まとめ:PPは“用途固定”が一番強い
ソニーのピクチャープロファイルは、知れば知るほど細かく詰めたくなります。ただ、実務では詰めすぎるほど迷いが増え、現場の判断が遅くなることもあります。だからこそ、最初は3つに絞って運用を固定し、必要になったタイミングで微調整へ進むのが合理的です。
- 撮って出し主義なら、S-Cinetone
- 色で魅せるなら、S-Log3
- 屋外の成功率なら、HLG
この整理ができれば、カメラ選びもレンズ選びも迷いが減り、撮影も編集も一気にラクになります。PPは「理解した人から勝つ」領域なので、今日から型を作って積み上げていきましょう。

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