エキサイティングなEPSON BASIC体験!HC-20から98互換機までレトロPCの魅力を徹底解説

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深夜、静まり返った部屋でカセットテープが回る「ピーーヒョロロ」という音をじっと聞き守る。プログラムのロードに失敗すれば、また最初からやり直し。そんなヒリヒリするような緊張感と、思い通りに文字が動いた瞬間の爆発的な歓喜。それこそが、かつて私たちがEPSONのパソコンとBASIC言語を通じて体験した「コンピュータとの対話」の本質でした。

今の時代、ブラウザを開けば一瞬で世界と繋がりますが、1980年代のエプソン製PC、特にハンドヘルドコンピュータの先駆けであるHC-20や、NECの牙城に挑んだPCシリーズには、今のデバイスにはない「自分の手で動かしている」という確かな手応えがありました。

黎明期の衝撃:手のひらの上のMicrosoft BASIC

世界初のハンドヘルドコンピュータHC-20を初めて手にした時の衝撃は、今でも忘れられません。A4サイズより小さく、マイクロカセットドライブとプリンタを内蔵したその姿は、当時の少年たちにとって「未来から来た道具」そのものでした。

搭載されていたのは、信頼のMicrosoft BASIC。電源を入れた瞬間に現れる「READY」のプロンプト。わずか数KBのメインメモリをいかに節約するか、変数を一文字にするか二文字にするかで悩む時間は、今思えば最高に贅沢なパズルでした。液晶画面に「PSET」命令でポツンと点が打たれた時、私たちは宇宙を創造したような万能感に浸っていたのです。

互換機というプライド:本家を超えようとしたEPSON BASIC

その後、エプソンはNECのPC-9801互換機市場へと突き進みます。本家が「N88-BASIC」を掲げる中、エプソンのEPSON PC-286PC-386シリーズは、互換性を維持しつつも独自の高速化や使い勝手を追求していました。

「本家より安くて速い」というエプソン機の選択は、当時のユーザーにとって一種のステータスであり、少し尖ったこだわりでもありました。フロッピーディスクをガシャリと差し込み、独自拡張されたBASIC命令を叩き込む。NEC版では動かないグラフィック処理を力技で再現させた時の達成感は、互換機ユーザーだけの特権的な喜びでした。

令和に蘇らせる:実機メンテナンスの洗礼と感動

今、再び押し入れからHC-40やPCシリーズを引っ張り出してみると、そこには過酷な現実が待っています。内蔵ニッカド電池は液漏れし、基板を腐食させていることも珍しくありません。しかし、はんだごてを手に取り、コンデンサを交換し、再びあの乾いたピポッという起動音が鳴り響いた瞬間、時間は一気に30年前へと引き戻されます。

現代のWindows PCで動かすエミュレータも便利ですが、やはり実機のキーボードの打鍵感、そしてあの独特のプラスチックの匂いの中でコードを書く体験に勝るものはありません。

BASICが教えてくれた「ものづくり」の原点

行番号を振り直し、GOTO文で迷路のようなスパゲッティプログラムを作り上げる。そんな非効率な作業の中にこそ、論理的思考の基礎がありました。EPSON BASICは、単なるプログラミング言語ではなく、私たちを「ただの消費者」から「創造者」へと変えてくれる魔法の杖だったのです。

もし、あなたの実家やリサイクルショップで埃を被ったエプソン機を見かけたら、ぜひ救い出してみてください。そこには、1行のコードに魂を込めたあの頃の熱い体験が、今も「READY」の文字と共に待っています。

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