デジタルカメラの進化が「速さ」や「高画素」を競うようになって久しいですが、ふと立ち止まって「写真の質」に向き合いたくなる瞬間があります。そんな時、私の手元にいつも残っているのが[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]です。
発売から10年以上が経過した今、なぜあえてこのカメラを手に取るのか。多くの熱狂的なファンを持つ[amazon_link product=”RICOH GR”]シリーズという巨大なライバルがいながら、[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]でしか撮れない世界があるのはなぜか。実際に使い込んできた私なりの体験を込めて、その魅力を紐解きます。
28mmという画角に宿る、ニコンの良心
[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]を語る上で避けて通れないのが、その描写性能です。搭載されているのは、当時のデジタル一眼レフの名機[amazon_link product=”Nikon D7000″]と同等のAPS-CサイズCMOSセンサー。これに専用設計された18.5mm f/2.8(フルサイズ換算28mm相当)のニッコールレンズを組み合わせています。
実際にシャッターを切ってみて驚くのは、等倍でチェックした時の「線の細さ」です。最近のカメラにありがちな、ソフトウェアで無理やりエッジを強調したカリカリ感ではありません。レンズが光を素直に捉え、ローパスレスセンサーがそのディテールを余さず受け止める。雨の日の濡れたアスファルトの質感、古い鉄柵の錆びた感触、遠くの木の葉一枚一枚の分離感。
「あ、これは一眼レフの画だ」
手のひらに収まるサイズから吐き出されるその画は、コンデジの域を完全に超越しています。
「速さ」よりも「深さ」を求める操作感
正直に言いましょう。[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]のオートフォーカスは、現代のミラーレス機と比べれば「おっとり」しています。パッと取り出して即座にピントが合う、そんな[amazon_link product=”iPhone”]のような軽快さを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
しかし、このカメラには「撮っている実感」を味合わせる仕掛けがあります。特筆すべきはレンズ外周に備わったマニュアルフォーカスリングです。
スナップを撮る際、私はあえてMFで距離を固定して歩くことがあります。リングを回す時の適度なトルク感は、まるでオールドレンズを操っているかのような錯覚を覚えます。液晶を見ながらピントの山を掴み、狙った瞬間にシャッターを押し込む。この一連の儀式が、ただの記録を「作品づくり」へと昇華させてくれるのです。
RICOH GRと比較して見えた「光と影」
よく比較される[amazon_link product=”RICOH GR III”]などのGRシリーズ。あちらが「究極のスナップシューター」として、一瞬を切り取る瞬発力に長けているなら、[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]は「光をじっくり観察するカメラ」です。
GRの画作りは非常にシャープでコントラストが強く、都会的なスナップに向いています。対して[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]の吐き出す色は、実にニコンらしい質実剛健なもの。派手さはありませんが、シャドウ部の粘りや、ハイライトへの滑らかな階調の変化は、後から[amazon_link product=”Adobe Lightroom”]などで現像する際の懐の深さとして現れます。
また、マグネシウム合金製のボディが持つ剛性感も、所有欲を満たしてくれる大きなポイントです。使い込むほどに手に馴染み、塗装が少し剥げてきてもそれが「味」になる。そんな道具としての完成度がここにはあります。
現代でこのカメラを楽しむためのヒント
もし今、あなたが中古市場で[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]を見つけたら、いくつかのアドバイスを。
まず、予備の[amazon_link product=”バッテリー EN-EL20″]は必須です。背面液晶を多用するため、電池の持ちは決して良くありません。そして、ぜひマクロモードを試してみてください。レンズ先端から約10cmまで寄れるのですが、最短撮影距離付近でのボケ味は非常に素直で、テーブルフォトでも主役を際立たせてくれます。
さらに、光学ファインダーをアクセサリーシューに装着するのもおすすめです。液晶を消し、ファインダー越しに世界を切り取る。そこには最新の電子ビューファインダー(EVF)では味わえない、生身の光との対話があります。
結論:不器用だからこそ、愛おしい
[amazon_link product=”Nikon COOLPIX A”]は、万能なカメラではありません。動画性能は貧弱ですし、手ブレ補正もありません。しかし、その「不自由さ」こそが、一枚の写真に込める集中力を高めてくれます。
スペック表の数字を追いかけることに疲れた時、このカメラをポケットに入れて街へ出てみてください。28mmという王道の画角と、ニッコールレンズが描き出す圧倒的な空気感。それらはきっと、あなたが写真を始めた頃の純粋な楽しさを思い出させてくれるはずです。
流行に流されず、自分だけの「光」を見つけたい。そんな方にこそ、今この名機を手にしてほしいと願っています。


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