モニターの「ガンマ」は、ざっくり言うと“暗いところ〜中間の明るさの出方”を決めるカーブです。結論から言うと、ガンマがズレると黒つぶれ(暗部が全部真っ黒)か、白浮き(黒がグレーっぽい)になりやすい。理由はシンプルで、映像信号の数字と、モニターが出す実際の光は一直線の関係じゃないからです。補足すると、明るさを上げ下げしても直らない「なんか見づらい」は、ガンマが原因になってることが多いんですよね。
ガンマと明るさ・コントラストの違い
明るさ(輝度)は“画面全体の光量”のつまみです。一方でガンマは“中間調の持ち上げ/沈み込み”に効いてきます。ここを混ぜると沼りやすい。たとえば暗いゲームで見えないからといって、明るさだけ上げると白っぽくなるだけで暗部の段差は戻らないことがある。逆にガンマを触ると暗部が見えるようになるけど、やりすぎると黒が締まらず、全体が眠い絵になります。
コントラストも似た罠で、上げるほどメリハリが出るように感じる一方、白側が先に飛びやすい。結果として「白い部分は眩しいのに、暗い部分は相変わらず潰れてる」みたいな状況が起きがちです。
ガンマ2.2と1.8、結局どっち?
よく見る「ガンマ2.2」は、PC作業やWeb、一般的な映像の前提として使われることが多い基準です。なので迷ったらまず2.2寄りで考えるのが現実的。1.8は“環境や用途によっては”という扱いで、今あえて狙って使う場面はかなり減りました。
ただし厄介なのは、アプリ側が色管理(ICCプロファイル)に対応しているかどうかで、同じ設定でも見え方が変わるところ。写真編集ソフトだと吸収してくれるケースがある一方、ブラウザやゲーム、動画プレイヤーは状況がバラバラで、ここが「設定は合ってるはずなのに、何か違う」の正体になりやすいです。
よくある失敗パターン:ガンマで明るさをごまかす
ガンマ調整で一番多い事故はこれです。「暗いからガンマを上げる」→確かに見える→しばらくすると目が疲れる、黒が薄い、グレー背景が汚い。暗部は見えるようになったけど、今度は画面の立体感が消えるんですよね。
逆パターンもあります。「黒を締めたいからガンマを下げる」→最初は映画っぽい→暗部の情報が全部消える。ホラーやFPSだと致命的で、影の中が“無”になります。
ここを避けるコツは順番です。手順としては、①明るさ(眩しくない)→②コントラスト(白飛びしない)→③ガンマ(暗部の段差が潰れない)→④色温度(青すぎない)。この流れで触ると戻りやすいです。
目でできるガンマのチェック方法
ガンマは数値で語られがちですが、最終的に見るのは自分の目。だから“見えるべき段が見えるか”で判断します。
- 暗いグレーが「全部同じ黒」に見えたら黒つぶれ寄り
- 黒が「グレーの膜」みたいに浮いて見えたら白浮き寄り
- グレーの背景でムラが目立つときは、ガンマ以前に明るさが高すぎることもある
やると分かるんですが、日中と夜でちょうどよさが変わります。夜に部屋を暗くして追い込みすぎると、翌日昼間に「薄っ…」ってなる。なので調整は“普段使う明るさの部屋”でやるのが無難です。
Windowsでガンマを整える(まずここでOK)
Windowsは標準の色調整ウィザードでガンマ合わせができます。大事なのは、OS側で合わせた後にモニター側の設定をいじり直さないこと。順番が逆になると、せっかく合わせた基準が崩れます。
作業としては、「ロゴがうっすら見える状態」を狙うイメージが近いです。見えなさすぎるなら黒つぶれ、見えすぎるなら白浮き。ここを“ほどほど”に寄せると、資料も写真も動画も破綻しにくい落とし所に入ります。
Macでガンマを整える(追い込みすぎ注意)
Mac側のキャリブレーションは触れる項目が多くて、つい気持ちよく追い込みたくなります。けど、やりすぎると他の端末との見え方がズレて「自分の画面だけ正しい」状態になりがちです。
特に共有物(画像を送る、動画を納品する、資料を配る)を扱うなら、奇抜な方向に寄せないほうが後悔が少ない。Macは“自然に見える”に寄せたくなるんですが、そこを我慢して基準に戻すほうが楽です。
仕事や本気の趣味なら、キャリブレーターが一気に楽になる
目視調整はコスパがいい反面、どうしてもブレます。そこで役に立つのがキャリブレーター。結論としては、写真・デザイン・動画をちゃんとやるなら導入価値が高い。理由は、ガンマだけじゃなく色温度や明るさもまとめて“基準”に寄せられるからです。補足すると、買って終わりじゃなく、季節や部屋の照明が変わったタイミングで取り直せるのが強い。
たとえば Calibrite なら、Calibrite Display Pro HL あたりが「迷ったらここ」になりやすいです。もう少し上を狙うなら Calibrite Display Plus HL。旧名で探す人も多いので、検索では Calibrite ColorChecker Display Pro や Calibrite ColorChecker Display Plus でも引っかかります。
Datacolor 派なら、使い勝手で選ぶなら Datacolor SpyderX Pro、細かく詰めたいなら Datacolor SpyderX2 Elite、明るい環境や幅広い用途を意識するなら Datacolor SpyderX2 Ultra が候補に残ります。
「ガンマが狂いにくい」モニターに寄せると、調整がラクになる
ガンマ調整って、突き詰めるほどモニター側の素性が出ます。最初から色と階調に強いモニターを選ぶと、そもそも迷いにくい。ここは結構大きい差です。
EIZO の ColorEdge 系は定番で、たとえば EIZO ColorEdge CS2740 は4K作業でも扱いやすい枠。もう少し現実的なサイズ感なら EIZO ColorEdge CS2400S も候補になります。
BenQ なら、写真寄りでいくなら BenQ SW272U、デザイン・普段使いのバランスなら BenQ PD2705U が出しやすい。ASUS の ProArt だと ASUS ProArt Display PA278CV みたいに「最初からズレにくい」路線があります。
仕事で資料も映像もやるなら Dell の UltraSharp も鉄板で、Dell UltraSharp U2723QE はハブ用途も絡められて便利。Mac中心なら LG の LG UltraFine 5K 27MD5KL-B みたいに“相性でラクする”方向もあります。
まとめ:ガンマは「暗部〜中間調」の見え方、まず2.2から
ガンマは、黒つぶれと白浮きを左右する中間調の肝です。まずは2.2を基準にして、明るさ→コントラスト→ガンマの順で崩れない場所を探す。これだけで「目が疲れるのに見づらい」状態から抜けやすくなります。
それでも毎回迷うなら、目視の限界が来てるサインかもしれません。そこでキャリブレーター(Calibrite Display Pro HL や Datacolor SpyderX2 Elite)に寄せると、ガンマ調整が“悩み”から“作業”に変わります。ここまで来ると、画面を見るのがちょっと楽になりますよ。


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