モニターの種類って、調べ始めるといきなり「IPSが正義」「VAは残像」「OLEDは焼き付き」みたいな強い言い方が飛び交う。結論から言うと、種類は“用途の地雷を避けるための整理”であって、優劣の決め打ちじゃない。迷う人ほど、①パネル(TN/VA/IPS/OLED)②明るさ技術(Mini LEDなど)③使い方(仕事・ゲーム・動画・制作)の順に片づけると、買ったあとに後悔しにくい。
まずは液晶の基本:TN・VA・IPSの違い
液晶モニターの大半はこの3つのどれか。ここを押さえるだけで、候補の絞り込みが一気に楽になる。
TN:動き優先の割り切り型
TNは「速い」を取りに行くタイプが多い。だから対戦ゲームで勝ちたい人には刺さる。逆に、色の見え方や視野角は好みが分かれやすく、写真やデザイン作業だと違和感が出ることがある。店頭で斜めから見た瞬間に「あ、こういう感じね」と理解できるなら話が早い。
VA:黒が締まる、動画で気持ちいい
VAはコントラストが強くて黒が沈む。映画や暗めのゲームで「画が締まった」と感じやすいのはこの系統が多い。ただし、残像感は機種差が大きいので“VAだからダメ”とは言い切れない。たとえば湾曲+高リフレッシュで没入寄りに振ったモデルだと、方向性がはっきりしていて選びやすい。そういう代表格としてはSamsung Odyssey G7 LC32G75Tみたいな立ち位置になる。
IPS:迷ったらここから、守備範囲が広い
IPSは視野角が広めで、色も安定しやすい。仕事・動画・ゲームを全部そこそこやる人が最初に当てにしやすい種類だ。実際、「何を買えばいいかわからない」相談は、IPS基準で考えるだけで事故が減る。たとえばコスパ寄りのゲーミングIPSならDell G2724Dのような選択肢が出てくるし、4K高リフレッシュの“全部盛り寄り”で探すならLG 27GP950-BやBenQ EX2710Uが候補に上がってくる。
最近よく聞く:OLEDとMini LEDは「別ジャンル」と思うとラク
ここからは液晶の延長というより、体験の方向がガラッと変わる。
OLED(有機EL):黒の表現が別物、気持ちよさが速攻で来る
OLEDは黒が本当に黒に見える。暗いシーンの階調がスッと出て、応答もキビキビしていて、映像の気持ちよさが強い。だから「ゲームも映像も最高にしたい」人には魅力が大きい。代表例としてはROG Swift OLED PG27AQDMみたいな方向性になる。
ただし注意点も同じくらい現実的で、PC用途は静止要素(タスクバー、同じUI、固定のウィンドウ)が多い。焼き付き対策の機能や運用が合うかどうか、ここを読まずに買うとストレスになる。
Mini LED:明るさとHDRの迫力を狙うならこっち
Mini LEDは“明るさの余裕”が武器になることが多い。HDRの見栄えを上げたい、明るい部屋で映像をしっかり見たい、そういう欲が強いなら検討価値がある。たとえばINNOCN 27M2Vのように「Mini LEDで4K高リフレッシュ」という狙いが明確な製品もある。
とはいえ、HDR表記だけ見て突っ込むのは危ない。ローカルディミングの効き方や分割数で体感が変わるので、ここは“同じMini LEDでも別物”と思っておくと痛くない。
用途別:種類の選び方はここで決まる
結局、モニターは使い方で正解が変わる。ここを先に固定すると、スペック沼に落ちにくい。
仕事・在宅:疲れにくさが最優先
文字が見やすい、反射が少ない、高さが合う。これが揃うだけで体感が一気に良くなる。しかも、解像度より“姿勢”で差が出やすい。USB-Cで給電と映像とハブをまとめたいなら、現実的に便利なのがDell U2723QEみたいなタイプ。安定感と調整機構を重視するならEIZO EV2795の方向もある。
理由は単純で、毎日使うほど“小さな不満”が積もるから。高さ調整がないだけで首がつらい、画面がギラつくだけで目が重い、そういう話は本当に多い。
ゲーム:勝ちたいのか、没入したいのか
勝ちたいなら、応答や遅延感が気になる方向に寄る。IPS系のゲーミング、あるいは高速系のTNを含めて検討する流れになる。さっき挙げたDell G2724Dは“バランス寄り”で入り口にしやすい。
一方、映像の迫力や黒の深さを取りにいくならVAやOLED、Mini LEDに軸足が移る。4K高リフレッシュで幅広く遊びたいならLG 27GP950-BやBenQ EX2710U、映像の気持ちよさを優先するならROG Swift OLED PG27AQDM、HDRの明るさ側に寄せるならINNOCN 27M2Vが分かりやすい。
動画・映画:黒とコントラスト、そしてサイズ感
ここはVAやOLEDがハマりやすい。暗部の階調が自然だと、同じ作品でも“情報量”が増えたように見える。逆に、明るい部屋で観ることが多いならMini LEDの方向が効く。音は外部スピーカーやヘッドホン前提で考えると後悔が少ない。
写真・デザイン:色域とキャリブレーションが主役
制作系は「IPSかどうか」だけで終わらない。広色域、ムラ、ガンマ、キャリブレーションの運用で差が出るからだ。写真・動画編集向けとしてまとまりがいいのがBenQ SW272Uのような方向性。さらに“基準を作る”ところまで踏み込むなら、センサー内蔵タイプのEIZO CG2700Sみたいな考え方になる。
補足すると、趣味レベルでも「色が毎回ズレる」ストレスは地味に効く。撮った写真をSNSに上げたらスマホで別物に見える、そういう違和感が減るだけで満足度が上がる。
端子の種類で詰む人が多い:HDMI/DP/USB-C
最後に落とし穴。買ってから「4Kなのに高Hzが出ない」「USB-Cで映らない」みたいな話はよくある。原因はだいたい、PC側の出力規格とモニター側の入力規格、それとケーブルの組み合わせ。
USB-C一本化を狙うなら、最初からその用途に寄せたDell U2723QEやEIZO EV2795のようなモデルを軸にして、接続をシンプルにしておくと失敗が減る。
まとめ:モニターの種類は「用途→妥協点」で決める
結論はこれ。モニターの種類は、スペック表を読むためじゃなく、買ったあとに困らないためにある。用途を決める、妥協点を先に書く、最後に端子を確認する。この順で選べば、IPSでもVAでもOLEDでも、ちゃんと満足できる買い物になる。


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